2014年9月15日月曜日

WAE SSB @JG1ZUY

この記録的な悪conditionの事は、後々の為に是非とも記録に残しておこうと思う。
GOES-15衛星で観測された、9月10日に発生した巨大flare。
Plasmaが噴水のように放出されているのが見える。

CME(コロナ質量放出)と磁気嵐

下図(clickで拡大)のGOES-15衛星によるX線観測dataに見るように 、9月9日 0z頃にM級、翌10日 18z頃X級flare(CME)が連続して発生していたのだが、今回筆者はこの事を知らずに9月13日(土)に現地入りしてしまっていた。
flareも「横向き」、つまり地球から見て「明後日の方向」に放出された物ならさほど大きな影響が無いが、今回のは最初の写真に見るように、もろに地球側を向いていた。

かくしてplasma流は下図(clickで拡大)に見るようにほぼ48時間かけて地球に到達し、「約束通り」に磁気嵐を引き起こしていた。9月9日 0zのM級flareに対応した地磁気変動は9月11日 0z頃から始まっており、9月10日 18zのX級flareに対応するものは9月12日 15z頃から現れているように見える。
48時間で地球に到達するということは、太陽・地球間距離は約1億5千万kmらしいので、秒速868km/sという速さでplasmaが飛んで来ている事になる。これでも光速の350分の1程度の速さらしい。(「光」は太陽から地球に到達するのに8分20秒かかっている。)

つまりWAEDC SSB Contest前の木~金曜日に、磁気嵐の「絨毯爆撃」を受けていたわけである。事前に宇宙天気をcheckしていなかった筆者は、9月13日の04z頃に仮眠から醒めて無線機のswitchを入れて初めて、このただならぬ事態に気付いた。

Contest開始後、つまり9月13日 00z以降は数値的にはK≦4となっていたが、実際にはその直前のK=7の状況がかなり残っていて、05z頃でも全く何も聞こえず、06z前になってようやくUA9が聞こえ出し、欧州局をlog inしたのは下記のように20mでは0624z、15mでは0647zになってからであった。
QSO: 14275 PH 2014-09-13 0624 JG1VGX        59  0001   DR1D          59  0315
QSO: 14249 PH 2014-09-13 0625 JG1VGX        59  0002   UA7K          59  0185
QSO: 14180 PH 2014-09-13 0627 JG1VGX        59  0003   PI4DX         59  0012
QSO: 14214 PH 2014-09-13 0628 JG1VGX        59  0004   DF0HQ         59  0265
QSO: 14245 PH 2014-09-13 0632 JG1VGX        59  0005   SK3W          59  0062
QSO: 21253 PH 2014-09-13 0647 JG1VGX        59  0006   IK0PHY        59  0017
QSO: 21231 PH 2014-09-13 0701 JG1VGX        59  0007   HG7T          59  0267
QSO: 21237 PH 2014-09-13 0702 JG1VGX        59  0008   LZ9W          59  0306

........
Conditionが良ければJAでは03z前から強力な欧州局は聞こえるので、こんな事は本当に初めてだった。

Contest中の状況

1日目は結局15mは20局程度しか出来なかったが、その分皆20mに降りてきていたようで、このようなconditionにもかかわらず深夜の20mは比較的好調で200局程度log inする事が出来た。40mは時間も短く20局程度であったが、結局15~40mで合計280局程度で1日目を終えた。

2日目、日曜日の午後からは普段通りに近いconditionで15m(とわずかだが10mを)楽しむ事が出来た。ぐんぐん局数を積み上げる事が出来、1日目の分を挽回すべく飛ばしに飛ばしたが、JSTで日付が変わってからの20m、40mで思うように局数が伸ばせず、残念ながら1000Qには到達出来なかった。

太陽flareは9月11日以降は大きな物は発生せず、2日目はK=1~0と非常に安定していたと言える。9月14日 03z頃に再びM級flareが発生していたが、これはもちろんcontest終了迄には地球に到達しなかったので問題は無かった。

太陽活動は次の様に比較的活発であったので、地磁気さえ落ち着いていれば良好なconditionだったと思う。
9/13 SFI=145, SSN=165, A=12
9/14 SFI=139, SSN=120, A=2
なお、75mは現在antennaが無く、運用しなかった。

結果

初日は、「もうこれは200局もいかないのではないか?」とさえ思っていたが、例年には明らかに劣るものの、2日目の追い上げで、十分に楽しめた内容となった。
                    WAE DX Contest, SSB

Call: JG1VGX
Operator(s): JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: Single Op HP
QTH: Chiba
Operating Time (hrs): 28.1
Radios: SO2R

Summary:
 Band  QSOs  QTCs  Mults
-------------------------
   75:    0     0    0x4
   40:   59    48   18x3
   20:  431   383   39x2
   15:  440   435   38x2
   10:    5    20    4x2
-------------------------
Total:  935   886    216  Total Score = 392,688
3830 reflectorへのpostはこちらです。

2014年9月5日金曜日

直前condition:AA Phone

今回は時間がなかったので、手抜きの分析?である。

昨日、2014/9/4(UTC)のRBN raw dataをEU/NA方面にplotしてみた。たった1日分である。
(注)openしている筈のない時間帯にある1~2の孤立spotsはbustedと思われますので、無視して下さい。
朝の北米はダメダメだが、ここ数日停滞していたconditionが回復しているのか夕方の10m欧州方面にも少し期待が持てそうだ。

High bandsの北米は21~23zで頑張るしかなさそうだ。また15/20mが主力bandsである事に変わりはないが、40mも丹念にやった方が良さそうだ。

いよいよ秋のcontest seasonの幕開けか。楽しみである。