2013年9月22日日曜日

SAC CW

SAC CWは昨年と同様mobileからの運用を考えていたが、諸事情により結局あるclub局よりmulti opで参加させていただいた。

事前分析と比較しながら、当日のconditionを振り返ってみよう。

太陽指数は前週のWAE SSB時(9/15)にSSN=12まで落ちたが、
 9/21 SFI=110, SSN=79, A=7
 9/22 SFI=111, SSN=98, A=5
と回復してきており、地磁気もK=1~2と静穏であった。

RBN spot解析は次の通り。対象としたspotsは事前分析と同じもの(LA, OH, OZ, SM, TF etc)である。
Contest後の3830 reflectorへのpostsを読んでみると、10mさえ開かなかったものの、conditionが悪かったという記載は欧州や北米局からのcommentsには見当たらない。しかし、JAからはかなり忍耐のcontestだった。
  • CQを出しても応答がなく、95%位S&Pしなくてはならなかった。
    • Contestの性質を考えれば仕方がないが、Scandinaviaの局はCQ一辺倒。
    • Scandinaviaの局の運用技術は高いのだが、いわゆる「お客さん」(001などのnumberを呉れるcasual参加局)が非常に少なかった。
  • Scandinaviaの局のantennaが極東を向いていない。
    • 欧州が2 pts、欧州外が3ptsと若干の傾斜配点はあるものの、JAが開いている時間帯も欧州内にantennaを向けて捌いている局が多く、S&Pでpile upを抜けない。3~4回も欧州局に順番を越されると、さすがに呼ぶ気がしなくなる。
CWでこれでは、SSB partはもっと忍耐が強いられる事になるだろう。JAとの交信pointを高くするとか何かの工夫をしてもらいたいところだ。

2013年9月21日土曜日

直前condition分析:SAC CW

以下に掲載するTime Chart(背景が灰色)の見方

  • ScandinaviaとJAとの間のRBN spotsの数をgraph化(以下の和)
    • JA skimmersがScandinavia局をspotした数
    • Scandinavian skimmersがJA局をspotした数
  • Scandinavian DXCC countries = JW JX LA OH OH0 OJ0 OX OY OZ SM TF
  • Chartsは上からTotal, 10m, 15m, 20m, 40m, 80m, (160m)の順

2013年の直前data

9/20にC class flareが発生はしたが、今のところ地磁気の状況は静穏に見える。
RBN data分析は9/13、9/16~20の平日6日間を対象とした。下のtime chartは6日間のspotsを加算したものである。
9/13
9/14
9/15
9/16
9/17
9/18 9/19
9/20
Avg
SFI
91 92 92 94 98 104 107
97
SSN
40 24 12 23 80 59 85
46
A
9 5 2 5 8 6 11
7

過去のdata

  • Time chartはContest開始時間の12:00から右に24:00迄が1日目、00:00に戻って12:00迄が2日目である。

2012年

9/15 SFI=97, SSN=53, A=6
9/16 SFI=97, SSN=77, A=7
  • 地磁気はK=1~2程度と比較的静穏で、10mこそ開かなかったものの各bands安定して入感していた様子。
  • 15mでdual peakがはっきりしている。20mもdual~triple peaks。

2011年

9/17 SFI=144, SSN=138, A=32
9/18 SFI=150, SSN=144, A=5
  • 太陽指数は高かったが、9/17に発生した磁気嵐の為、初日は壊滅状態。特に20mで影響が目立つ。
  • 2日目には何とか回復していたようだ。

2010年

9/18 SFI=82, SSN=42, A=4
9/19 SFI=81, SSN=50, A=4
  • 太陽指数は高くは無いが、K=0~1と地磁気は非常に静穏であった。だが2日目は15m、20mともあまりぱっとしないdataである。もしかするとまだこの年にはskimmersの数が少なかった為かもしれない。15mは一応dual peakではあったようだ。

2013年9月16日月曜日

WAE SSB @JG1ZUY

台風18号襲来の週末、房総の山にcontestに出かけた。

WAEはかなり好きなcontestだが、その理由としては次のような事がある。
  • QTCのgame的な面白さ
  • 相手が欧州だけなので、開いていない時間帯に十分に休養できる
  • 開くのは午後からなので、開始日の土曜日の朝、のんびりできる
さらに今回は月曜日が祝日のため、有給休暇を取得せずにfull time参加できるmeritも加わり、全力で参加する事にした。

出発~Set up

8月のWAE CWの時は「午後からの開始に間に合えば良い」と少しのんびりし過ぎて自宅からの出発が遅くなりアクアラインでひどい渋滞に巻き込まれた。今回は現地でantenna作業も予定しており、午前中なるべく早い時間に到着しようと思っていた。だが睡眠不足はいけないと金曜の夜にしっかり睡眠を取り、土曜は午前6時頃起床したものの、忘れ物の無いようにと念入りに支度をしていたら結局出発は午前10時前となってしまった。

幸いな事に連休ではあったが台風襲来の週末のせいか8月と異なりアクアラインの渋滞は殆ど無く、大した苦労も無く12時頃には現地に辿り着いた。

今回のantenna作業はナガラ TA-31もしくはHexBeamをSO2R用のsub antennaとして上げることであったが、そろそろ欧州が開く時間帯も迫ってきていたのでなるべく手のかからない方法でと思案し、結局下図の様にパンザマストの中腹(5mH位)にTA-31を括り付けるだけで誤魔化した。
いちおう欧州方向には向けてあるのだが、後にも述べるがこのantennaは実際には(この高さでは当たり前かも知れないが)役に立たなかった。

今回もSO2Rのsetupをした。micro2Rを使ったSO2RはこれまでCWでは2度程やったのだが、SSBでは今回が初めてである。配線がやや複雑化し、少しsetupに時間がかかってしまい、結局運用開始は15時(JST)を過ぎることになった。
残念だったのは、CW contestsの時は起きなかった高周波回り込みが発生してしまった事である。SSBでは配線が複雑化したからだろう。この為、
  • telnet cluster接続が頻繁に切断し、事実上使い物にならず、unassistedでの参加となった(注:WAEDCにはunassisted部門は無く、全員cluster使用が認められている)、
  • VOXが異常動作し使えず、foot pedalの使用を余儀なくされた。
Internetは携帯電話による3G接続で、多少不安定でもweb閲覧などには余り支障が無かったのはまだ幸いだった。VOXは、使えない事もあろうかとfoot pedalを持参しておいて良かった。但し四六時中の使用で何度も脚が攣ってしまい参った。

Condition

太陽指数は低かったが、地磁気が安定していたのは幸いだった。
前日13日にK=4まで上昇しているが、その後静穏化し、特に2日目は太陽指数の割りには15mが好調だったのもこのdataを見れば頷ける。

今回もRBNデータを見ながら運用を振り返りたいが、今回はSSBコンテストであるが、dataはRBNの数の少ないCW spotsを見ている事に留意されたい。濃灰の部分は休憩時間である。

<day 1: 9/14> SFI=92, SSN=24, A=5

当初の予定では、contest rules(single opは最大36時間運用)に義務付けられているoff timeは0~5z、23~24zを2日間に取る事を目安にしていた。初日はset upの為開始時間が遅れることになったが、それでも6z過ぎに運用を始められたのはまだ良かったかもしれない。

開始より15m☓10mでかなりの時間Dueling CQを出したが、10mは全くかすりもしなかった。太陽指数から考えても、このRBN dataを見ても、やはり開いていなかったのだろう。

15mは12z頃には落ちたため20mにQSYした。しかし14z頃には呼ばれなくなったため、ここまで8時間程連続運用したので食事休憩(1時間弱)を取ることにした。(今RBN dataを見ると休憩中も20mは開いていたようだ。)

休憩後20mで再開、19zからは40mにQSYした。75mもしばしCQを出してみたがあまり聞こえておらず、40mで局数、multiを増やすことに傾注した。夜明けは2022z頃であったが、21zにはほとんど相手が居なくなったためここで1日目は終了とし、水平飛行に移った。

ところが、いつもやってしまうのだが、運用中のカフェイン(black coffee、「濃いお茶」等)の摂り過ぎで、いざ眠ろうとしても中々寝付けなかったのには困ったのだった。

<day 2: 9/15> SFI=92, SSN=12, A=2

結局7~11時JSTの4時間位はたっぷり寝られた。起床後は昼食を摂ったり、雨後の涼しい林道を散歩したりして十分に気分転換をした。

12時JST迄でoff timeが12時間を超えたので、その後はもうoff timeを気にせずとも良くなった。昨日はset upの為若干出遅れた為、2日目は早めからの運用を心掛けたが、実際には15mでrunningを開始したのは5z少し前である。この時点でDLのbig gunsとQTC交換できる程迄bandは開いていた。

2日目の方が黒点数は下がっていたが、地磁気がより静穏となりconditionは良くなっていた。上のRBN dataで見ても分かるように、この日は15m→20m→40mのopeningが時間帯で綺麗に分かれており、それぞれの移行時間帯では両bandsが閉じる現象がはっきりしていた。例えば、15mが閉じてから20mが開く迄に少し時間があるのである。この事が分かったので、その時間帯に30分~1時間弱の食事休憩を取ることにして、この作戦はうまくいったと思う。

この日も10mでDueling CQをかなりの時間出したが、残念ながら10mのopeningを捉えることは出来なかった。75mも少しはwatchしたが、非力な設備ではあまり時間を割く意味は無いと考え、40mに傾注した。2日目も21z頃には聞こえるのは強力局ばかりで相手が居なくなり、ここで閉局としたが、RBN dataを見ると40mはもう少し(さらに1時間以上)開いていたのかも知れない。

残念ながら両日ともTA-31(20-15-10m RDP)がsub antennaとして活躍することはなかった。地上高が低いこと、SSB contestでより利得が必要なこと、太陽指数が低いこと等が原因としてあったと思う。従ってSO2Rが有効に機能した場面は今回のcontestでは殆ど無かったと言える。

                    WAE DX Contest, SSB

Call: JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: Single Op HP
QTH: Kimitsu, Chiba
Operating Time (hrs): 31
Radios: SO2R

Summary:
 Band  QSOs  QTCs  Mults
-------------------------
   80:    0     0    0x4
   40:   97    20   27x3
   20:  475   309   44x2
   15:  774   821   45x2
   10:    0     0    0x2
-------------------------
Total: 1346  1150    259  Total Score = 646,464

QTH: middle of Boso Peninsula, southeast of Tokyo
Power: 1kW full legal 
Antennas: 
- Create Design 714XX (40-20-15 tribander, 3L-5L-5L) 
- 10m monobander 7L 
- 75m shortened RDP 
- 20-15-10 multiband RDP 
N1MM Logger (latest)
microHAM u2R

3830 reflectorへのpostはこちら

台風

金曜日に台風予報を見ていた時点ではcontest中に本州を直撃し、月曜日には太平洋三陸沖辺りに抜けている予想で、台風一過悠々と帰宅できると期待していた。

しかし実際には進度が遅く、関東襲来は月曜日の朝となり、contest終了時にはまだ暴風雨ですぐ帰宅する事は出来なかった。午後0時頃台風が関東を通過し、午後2時頃には風雨が止んだので下山を開始した。

ところが林道には大きな倒木が何箇所か道を塞いでおり、車を降りて軍手で倒木を動かしながらの下山となった。幸い崖崩れも無く、麓の集落に無事辿りつけたのは運が良かったというしか無い。

2013年9月13日金曜日

直前condition分析:WAE SSB

先週のAA Phoneに引き続き、今週末(9/14~15)のWAE SSBに向けRBN dataを用いた直前condition分析をしてみた。

ただしこのRBN data分析の図の解釈に当たっては、以下の点に留意して欲しい。
  • 利用しているRBN raw dataはbusted spotsを含んでいる。例えば、JE3KXTというcallがOE3KXTとdecodeされるとEUのspotとして図示される。通常pathsが無いと予想される時間帯の少数のspotsはこのようなbusted spotsの可能性が高いので無視した方が良いだろう。
  • 図のbarsの高さはspotsの絶対数ではなく、24時間のうちで最もspot数の多かった30分を最大とした相対表示である。Spotsの絶対数はbar中の小さな数字で示されているので、実際にbandsのopen度合いはこの数字を考慮して判断して欲しい。
  • このRBN data分析の目的は、大まかなopen時間帯を把握し、QSY戦略の一助とすることにある。Skimmer dataを基にしているためshort/long pathsの別も考慮されていない。
なお参考までに北米方面のdata(下半分)も図示したが、今回はWAEなので欧州のdata(上半分)のみに着目して欲しい。

2012年

対象のRBN dataは9/6~7、10~13の平日6日間とした。下図はこれら全日dataを加算した物。9/8、9(土、日)はWAE SSB Contest当日であったが解析からは外している。(平日とはCW activityがかなり異なると考えられる為。)
9/6
9/7
9/8
9/9
9/10
9/11 9/12
9/13
Avg
SFI
128 133 128 123 111 105 102 99 116
SSN
112 110 70 87 62 73 68 44 78
A
12 10 7 4 3 1 5 5 6

2013年

今年は9/5~6、9~12の平日6日間のdataをとった。9/7、8(土、日)はAll Asian Phoneの当日であった為、前述の理由で解析から除外した。
9/5
9/6
9/7
9/8
9/9
9/10
9/11
9/12
Avg
SFI
110 101 98 95 94 94 92 92 97
SSN
75 41 35 24 13 23 53 58 40
A
3 4 3 5 4 9 6 6 5
  • 一見して分かることは、2012年の方が太陽指数が良かったため10mが午後~夕刻にちゃんと開いていたことである。但し先程の注釈で述べたようにbarsの高さではなくspot実数に着目して欲しい。10mが開いていた時間帯は15mはもっと開いていたのである。

2013年9月12日木曜日

WAE CWでのQTC live

先月8月のWAE CWでの当局のQTCを、IK8TEOがYouTubeにupしてくれていた。


132回目のQTC。かなりcontest後半だと思う。1回目のQTCを送出後に相手の「R」が聞き取れず、「?」を返している。また10回分送出後に相手からの完了「TU」messageを待っていたが遅かったのでしばらく空白の時間がある。

2013年9月5日木曜日

直前condition分析:AA Phone

今週末(9/7~8)のAll Asian Contest Phone部門に備え、RBNのdataを用いてconditionを昨年と比較してみよう。

2012年

対象のRBN raw dataは 8/27~31、9/3~5の平日8日間とした。下図はこれら全日dataを加算したものである。9/1、2(土、日)はcontest当日であったが解析から外した。(平日とはactivityがかなり異なると考えられる為。)
8/27
8/28
8/29
8/30
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
9/5
Avg
SFI
111 111 118 127 130 145 142 141 137 132 129
SSN
85 73 95 118 144 120 108 156 150 105 115
A
8 4 4 3 3 5 16 31 16 32 12

2013年

8/26~30、9/2~4の平日8日間のdataとした。8/31、9/1は本年はcontest当日ではないが週末のため前述の理由で解析から外した。
8/26
8/27
8/28
8/29
8/30
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
Avg
SFI
111 109 108 108 107 107 103 105 106 109 107
SSN
35 61 44 55 62 60 71 84 74 77 62
A
4 17 8 2 7 11 9 8 6 5 8
こうして2年間を並べてみると、太陽活動の差が10mのopen状況の差となって現れているが、全般的な状況としては大きな差は無いのではないかと思えてきた。