2013年12月28日土曜日

軽量Linux distroの比較

既に現役使用から引退している2009年modelのネットブック(下記:dynabook UX/27、XP搭載)に軽量Linuxをinstallしてみようと思い、いろいろ試してみた報告である。
来年以降もXPを使い続けることにはやはり不安がある他、4年も使い続けたネットブックはapplicationsてんこ盛りで遅くて使用に耐えない物になっていた。

筆者は15年程前よりLinuxを使い始め、今もAmazon Cloud上の2台のDebian serversでAPRS-IS serversDX Clusters等を運用しているが、ここ数年Linuxを使うのはserver用途が主で、desktop Linux OSを試すのは本当に久し振りである。

選択のpoints

  • 使い古した遅いmachineにinstallするので、「軽量」であることが最優先。
  • Debian(またはUbuntu)系。これは私の好み。

Linux Mint ★★☆☆☆

Version: 16 (Petra), MATE desktop
調べてみると、現在最も人気が高いdistributionという評価が多く、真っ先にinstallしてみた。複数のwindow managersが選べるというのも良いかもしれない。今回は最新版GNOME 3に準拠したCinnamonの方ではなく、GNOME 2に準拠しより安定性の高そうなMATEというwindow managerのversionを選択した。

しかし次の点で私の好みに合わないため、残念ながら真っ先に削除してしまった。
  • 重い。無駄が多すぎる。
    • あらゆるapplicationsがpre-installされている事が特徴らしいが、逆に言えば不要な物まで最初から入っているという事である。例えば、LibreOffice等必要であれば簡単にinstallできるのだから、「全部入り」がmeritとは余り思えない。筆者はこのblogのtheme選択を見れば分かるようにかなりのminimalistであるから、筆者の嗜好に合わないのである。
    • Windowsと同じ操作性を求める方には、この点は確かに良いのかもしれない。Core i7等搭載の新鋭機であれば、速度の点は問題にならないと思う。しかし速度やresourcesにcriticalな陳旧機向きではない。
  • Designが好みでない。
    • 目障りな黄緑色とかmetallic silverが筆者の審美眼に全く訴えかけない。そう言えば似たようなthemeがXPのdefaultにもあったなあ・・・。これは機能とは全く関係が無いが、毎日使いするには筆者にとっては重要なpointである。

Xubuntu ★★★☆☆

Version: 13.10 (Saucy Salamander)
Ubuntu派生distributionの一つ。Window managerに軽量なXfceを使用している。これはかなり良かった。
  • Designがsimpleで美しい。
    • minimalistの筆者に十分に訴えかけるsimpleさと機能性である。
  • 完成度がかなり高く、最小限の利便性も備える。
    • 次に述べるLubuntuに比べて、Settings Manager(WindowsのControl Panelに相当)や画面下部のlauncher等、若干便利な点があると思った。
しかし、次の点に不満が残った。
  • Ubuntuと比べてそれ程軽くない。
    • 自分で実験した訳ではないが、他siteのbenchmark dataを見たところ、memory使用量について次のような結果があった。
      • Ubuntu ≒ Xubuntu > Lubuntu
    • ただし筆者は2G RAMをinstallしてあり、これを使い切るようなheavyなtestはしておらず、実感としてはLubuntuと比べて必ずしも遅いとは感じられなかった。(Linux Mint PetraはXubuntu、Lubuntuより明らかに遅かった。) 

Lubuntu ★★★★

Version: 13.10 (Saucy Salamander)
これもUbuntu派生distribution。軽量化を主眼に開発されたLXDEという専用のwindow managerが使われている。これまで挙げた3つのdistributionsのうちでは最も筆者の趣向に合うものだった。
  • Ubuntu派生distributionの中では最も軽量(多分)。
    • 起動もかなり速い。
    • ただし、少し前のversionsに比べてやや遅く(重く)なっていると記載されたsitesもあった。筆者自身が比較していないので実際のところは分からない。
  • Designがsimpleで美しい。
    • Xubuntuと同じ濃青を基調とした目に優しいdesktopは大変好感が持てる。
    • Xubuntuのような集約的なControl Panelは無いが、特に困るものでもない。
    • Launcherとしては、WindowsのQuick Launch Toolbarのように、頻用applicationsへのshortcutsを並べることが出来る(画面左下)。

CrunchBang Linux ★★★★★

Version: 11 (Waldorf)
最後にinstallしたのだが、ついに筆者の理想のdistributionに辿り着いた、という感じである。「もう絶対コレしか無い!」と思っています。
  • 一切の虚飾を排し、軽量化を極限まで追求した形。
    • 起動はめちゃめちゃ速いです。
    • Ubuntuより更にbasicなDebianをbaseにしています。
  • Simpleで見た目が最高に美しい。
    • 違いの分かるminimalist専用のdistributionでしょう。Openboxという超軽量window managerを使用。
    • Ubuntuの茶色でもなく、Mintの緑/銀でもなく、Xubuntu/Lubuntuの紺でもなく、monotonousなgrayscaleをsiteにもdesktopにも採用。この潔さ。
  • 使い易い。
    • Launcherはありません。Hotkeyです。特に、普段使い道のない"Windows" key("Super" key)を使えるのは良いと思う。Browserも、terminalも、file managerも、hotkeyで一発呼び出しです。スゴイ!
    • Conkyというsystem monitorがdefaultでinstallされていて、desktopにmemory使用状況、CPU使用率、Shortcut Keys hintなどが表示(+更新)されていて、とても便利です。

感想とまとめ

  • 数年振りに各distributionsをinstallしてみて、昔と比べてdesktop Linuxの完成度はかなり上がっていると感じた。
    • 昔からLinuxはinstallまでは簡単だが、bugsや制約も多く、日本語入力環境を構築するのさえ苦労した。Devicesも対応していない物もあり、printersを動かすにも大変だった。
    • 昔、VineLinuxという完成度の高い日本製distributionがあった。(今もあることに少し驚いた。)日本語環境がちゃんと動く、唯一の「使い物になる」Linux distributionだったと思う。海外発distributionsも、今はdefaultで日本語対応がなされ、ほぼあの水準の完成度に達していると感じた。
    • 日本語環境は、ibus-anthyやibus-mozcを事後にinstall、設定する必要があったが、何の支障もなく動いた。Defaultで「全角/半角」keyが動作するのには、昔のLinuxを知る筆者はちょっと感激した。
    • Printersはmakersのsitesからdriversをdownloadし、指示通りにinstallしたらCUPSでそのまま動いた。これは素晴らしい事だと思う。ほぼWindows並にprintersが使えるのだから。
  • しかし今でも、筆者はLinuxがWindows代替になるとは思っていない
    • 完成度は確かに上がった。しかし、所詮freeの物であるから、bugsはたくさん残っている。正式対応されていないdevicesもまだまだ多い。kernel levelのbugsも少しはあってもおかしくない。
    • 実際に、筆者の環境でもいくつかの不具合があった。例えば、無線LANが頻繁に途切れたり。しかし大抵の場合は、Google先生に聞けば5~60分以内に問題は解決できた。昔は解決法を検索するのに丸一日~数日かかったり、解決できない問題もかなりあった。
    • 対策はconfig filesの修正等のcommand line levelの作業となり、そういうのに慣れていない方には難儀に感じる所かも知れない。しかし、Linuxを使う以上は、そうした作業はまだまだ避けられないと思う。つまり、まだ一般向けとは言えない、という事だ。
    • Linuxが簡単に動くようになったとは言っても、Windows用applicationsが簡単に動くようになったわけではない。世の中はcloud basedになったから、web browser(とflash player)さえ動けば、日常のある程度の作業は出来るようになった。この意味で、sub machineとして、あるいはネットブックとして(つまりweb検索とemail送受信が主)なら十分に使えるとは思う。
  • Windows XP support終了後も、筆者のmainのPCはLinuxでもMacでもなく、Windows(7または8)だと思う。趣味、仕事を問わない。
    • MicrosoftやWindowsが好きでも無いのだが、やはり日常作業の生産性が一番高いのはWindowsである。Macに比べて市場価格もこなれており、machinesの性能も高い。
  • Linux distributionは軽量でなくてはならないと思う。
    • 新しいCore i7のmachineを購入して、Windowsを消してLinuxを入れて日常作業に使う人がどれだけ居るのだろう?筆者は勿体無くてそんな事は絶対に出来ない。
    • となると、desktop Linuxの利用価値は、今回のように使い古したmachinesを再生する等の用途が多いのではないだろうか?そうすると、Linux Mintのような「全部入り」の重いdistributionよりは軽量distributionsの方が利用価値が高いと思う。そもそも、Windows XPが使い続けられてきた理由の一つは、Vista等後継OSに比べて軽量で安定しており、陳旧機にも使えて、またdevicesにも多く対応していた事なのだから。

2013年12月11日水曜日

N1MM LoggerとMorse Runnerとの連携

以前そんな事が出来ると聞いた事はあったが、やり方が分からなかったが、ようやく分かったのでここにご紹介したい。これはN1MM Loggerを使う方にとって、CW contestsの事前練習として最適だ。せめて先月のCQ WW CWの前にこれを知っていれば・・・。


用意するもの

この2つは、ここを見ている皆さんのPCにはもう既にinstallしてあることと思います。
さらに必要なのはN1MM LoggerとMorse Runnerとの連携プログラムで、K7OG提供の物です。
詳しい事は作者K7OGの解説をお読みください。(読まなくても動作させられますが。)YouTube動画もあります
なお、AutoHotkey(freeware)をinstallしてscript fileを使う別法もありますが、上記のexeファイルを使用する方法が簡単です。(AutoHotkeyのinstallは不要。)

手順


で、使い方は超簡単。上記3つのprogramsを起動させるだけです。(N1MM Logger -> Connector -> MorseRunner の順に起動します。)また、次のように設定すると使いやすいです。

N1MM Logger

  • ConfigurerでCWを送出する設定にしておきます。Rigは接続されていなくて構いません。DummyのCOM portでOKです。(普通にN1MM LoggerでCW運用する設定のままRigをOFFにしておく。)実際のCW(音)はMorse Runnerが発生させます。
  • Run modeにしておいてください。(Alt-U)
  • ESMONが良いです。
  • LogとしてCQWPXCWで新しいlogを作成しておきます。何度も繰り返して練習する時は、Morse Runnerのstart前にN1MM LoggerでWIPELOG(Entry窓にそう入力)するとlogが初期化されます。

Morse Runner

  • Run buttonを押してstartさせるだけです。

おまけ(窓の整理の仕方)


N1MM LoggerのBandmap等の窓はこの「練習環境」では不要ですので、例えば上図のように窓を並べると使いやすいでしょう。Morse Runnerの窓も見えていないといけません。普段使っているN1MM Loggerの窓の位置に影響を与えないようにするには次のようにします。
  • 普段使いのN1MM Loggerの窓配置を保存するために、まず「Tools」>「Save Window Positions」を実行します。
  • 「OPON」(又はCtrl-O)のoperator切り替え機能を用いて適当なoperator名(例「MRUNNER」)にoperatorを変更します。Info窓で確認してください。
  • 上図は一例ですが、好みの窓位置に配列しなおしたら、再度「Tools」>「Save Window Positions」を実行します。
  • この状態で、operatorを切り替えることにより、普段使いのN1MM Loggerの窓配置と、このsimulator用の窓配置を切り替えることが出来るようになります。Hooray!

2013年9月22日日曜日

SAC CW

SAC CWは昨年と同様mobileからの運用を考えていたが、諸事情により結局あるclub局よりmulti opで参加させていただいた。

事前分析と比較しながら、当日のconditionを振り返ってみよう。

太陽指数は前週のWAE SSB時(9/15)にSSN=12まで落ちたが、
 9/21 SFI=110, SSN=79, A=7
 9/22 SFI=111, SSN=98, A=5
と回復してきており、地磁気もK=1~2と静穏であった。

RBN spot解析は次の通り。対象としたspotsは事前分析と同じもの(LA, OH, OZ, SM, TF etc)である。
Contest後の3830 reflectorへのpostsを読んでみると、10mさえ開かなかったものの、conditionが悪かったという記載は欧州や北米局からのcommentsには見当たらない。しかし、JAからはかなり忍耐のcontestだった。
  • CQを出しても応答がなく、95%位S&Pしなくてはならなかった。
    • Contestの性質を考えれば仕方がないが、Scandinaviaの局はCQ一辺倒。
    • Scandinaviaの局の運用技術は高いのだが、いわゆる「お客さん」(001などのnumberを呉れるcasual参加局)が非常に少なかった。
  • Scandinaviaの局のantennaが極東を向いていない。
    • 欧州が2 pts、欧州外が3ptsと若干の傾斜配点はあるものの、JAが開いている時間帯も欧州内にantennaを向けて捌いている局が多く、S&Pでpile upを抜けない。3~4回も欧州局に順番を越されると、さすがに呼ぶ気がしなくなる。
CWでこれでは、SSB partはもっと忍耐が強いられる事になるだろう。JAとの交信pointを高くするとか何かの工夫をしてもらいたいところだ。

2013年9月21日土曜日

直前condition分析:SAC CW

以下に掲載するTime Chart(背景が灰色)の見方

  • ScandinaviaとJAとの間のRBN spotsの数をgraph化(以下の和)
    • JA skimmersがScandinavia局をspotした数
    • Scandinavian skimmersがJA局をspotした数
  • Scandinavian DXCC countries = JW JX LA OH OH0 OJ0 OX OY OZ SM TF
  • Chartsは上からTotal, 10m, 15m, 20m, 40m, 80m, (160m)の順

2013年の直前data

9/20にC class flareが発生はしたが、今のところ地磁気の状況は静穏に見える。
RBN data分析は9/13、9/16~20の平日6日間を対象とした。下のtime chartは6日間のspotsを加算したものである。
9/13
9/14
9/15
9/16
9/17
9/18 9/19
9/20
Avg
SFI
91 92 92 94 98 104 107
97
SSN
40 24 12 23 80 59 85
46
A
9 5 2 5 8 6 11
7

過去のdata

  • Time chartはContest開始時間の12:00から右に24:00迄が1日目、00:00に戻って12:00迄が2日目である。

2012年

9/15 SFI=97, SSN=53, A=6
9/16 SFI=97, SSN=77, A=7
  • 地磁気はK=1~2程度と比較的静穏で、10mこそ開かなかったものの各bands安定して入感していた様子。
  • 15mでdual peakがはっきりしている。20mもdual~triple peaks。

2011年

9/17 SFI=144, SSN=138, A=32
9/18 SFI=150, SSN=144, A=5
  • 太陽指数は高かったが、9/17に発生した磁気嵐の為、初日は壊滅状態。特に20mで影響が目立つ。
  • 2日目には何とか回復していたようだ。

2010年

9/18 SFI=82, SSN=42, A=4
9/19 SFI=81, SSN=50, A=4
  • 太陽指数は高くは無いが、K=0~1と地磁気は非常に静穏であった。だが2日目は15m、20mともあまりぱっとしないdataである。もしかするとまだこの年にはskimmersの数が少なかった為かもしれない。15mは一応dual peakではあったようだ。

2013年9月16日月曜日

WAE SSB @JG1ZUY

台風18号襲来の週末、房総の山にcontestに出かけた。

WAEはかなり好きなcontestだが、その理由としては次のような事がある。
  • QTCのgame的な面白さ
  • 相手が欧州だけなので、開いていない時間帯に十分に休養できる
  • 開くのは午後からなので、開始日の土曜日の朝、のんびりできる
さらに今回は月曜日が祝日のため、有給休暇を取得せずにfull time参加できるmeritも加わり、全力で参加する事にした。

出発~Set up

8月のWAE CWの時は「午後からの開始に間に合えば良い」と少しのんびりし過ぎて自宅からの出発が遅くなりアクアラインでひどい渋滞に巻き込まれた。今回は現地でantenna作業も予定しており、午前中なるべく早い時間に到着しようと思っていた。だが睡眠不足はいけないと金曜の夜にしっかり睡眠を取り、土曜は午前6時頃起床したものの、忘れ物の無いようにと念入りに支度をしていたら結局出発は午前10時前となってしまった。

幸いな事に連休ではあったが台風襲来の週末のせいか8月と異なりアクアラインの渋滞は殆ど無く、大した苦労も無く12時頃には現地に辿り着いた。

今回のantenna作業はナガラ TA-31もしくはHexBeamをSO2R用のsub antennaとして上げることであったが、そろそろ欧州が開く時間帯も迫ってきていたのでなるべく手のかからない方法でと思案し、結局下図の様にパンザマストの中腹(5mH位)にTA-31を括り付けるだけで誤魔化した。
いちおう欧州方向には向けてあるのだが、後にも述べるがこのantennaは実際には(この高さでは当たり前かも知れないが)役に立たなかった。

今回もSO2Rのsetupをした。micro2Rを使ったSO2RはこれまでCWでは2度程やったのだが、SSBでは今回が初めてである。配線がやや複雑化し、少しsetupに時間がかかってしまい、結局運用開始は15時(JST)を過ぎることになった。
残念だったのは、CW contestsの時は起きなかった高周波回り込みが発生してしまった事である。SSBでは配線が複雑化したからだろう。この為、
  • telnet cluster接続が頻繁に切断し、事実上使い物にならず、unassistedでの参加となった(注:WAEDCにはunassisted部門は無く、全員cluster使用が認められている)、
  • VOXが異常動作し使えず、foot pedalの使用を余儀なくされた。
Internetは携帯電話による3G接続で、多少不安定でもweb閲覧などには余り支障が無かったのはまだ幸いだった。VOXは、使えない事もあろうかとfoot pedalを持参しておいて良かった。但し四六時中の使用で何度も脚が攣ってしまい参った。

Condition

太陽指数は低かったが、地磁気が安定していたのは幸いだった。
前日13日にK=4まで上昇しているが、その後静穏化し、特に2日目は太陽指数の割りには15mが好調だったのもこのdataを見れば頷ける。

今回もRBNデータを見ながら運用を振り返りたいが、今回はSSBコンテストであるが、dataはRBNの数の少ないCW spotsを見ている事に留意されたい。濃灰の部分は休憩時間である。

<day 1: 9/14> SFI=92, SSN=24, A=5

当初の予定では、contest rules(single opは最大36時間運用)に義務付けられているoff timeは0~5z、23~24zを2日間に取る事を目安にしていた。初日はset upの為開始時間が遅れることになったが、それでも6z過ぎに運用を始められたのはまだ良かったかもしれない。

開始より15m☓10mでかなりの時間Dueling CQを出したが、10mは全くかすりもしなかった。太陽指数から考えても、このRBN dataを見ても、やはり開いていなかったのだろう。

15mは12z頃には落ちたため20mにQSYした。しかし14z頃には呼ばれなくなったため、ここまで8時間程連続運用したので食事休憩(1時間弱)を取ることにした。(今RBN dataを見ると休憩中も20mは開いていたようだ。)

休憩後20mで再開、19zからは40mにQSYした。75mもしばしCQを出してみたがあまり聞こえておらず、40mで局数、multiを増やすことに傾注した。夜明けは2022z頃であったが、21zにはほとんど相手が居なくなったためここで1日目は終了とし、水平飛行に移った。

ところが、いつもやってしまうのだが、運用中のカフェイン(black coffee、「濃いお茶」等)の摂り過ぎで、いざ眠ろうとしても中々寝付けなかったのには困ったのだった。

<day 2: 9/15> SFI=92, SSN=12, A=2

結局7~11時JSTの4時間位はたっぷり寝られた。起床後は昼食を摂ったり、雨後の涼しい林道を散歩したりして十分に気分転換をした。

12時JST迄でoff timeが12時間を超えたので、その後はもうoff timeを気にせずとも良くなった。昨日はset upの為若干出遅れた為、2日目は早めからの運用を心掛けたが、実際には15mでrunningを開始したのは5z少し前である。この時点でDLのbig gunsとQTC交換できる程迄bandは開いていた。

2日目の方が黒点数は下がっていたが、地磁気がより静穏となりconditionは良くなっていた。上のRBN dataで見ても分かるように、この日は15m→20m→40mのopeningが時間帯で綺麗に分かれており、それぞれの移行時間帯では両bandsが閉じる現象がはっきりしていた。例えば、15mが閉じてから20mが開く迄に少し時間があるのである。この事が分かったので、その時間帯に30分~1時間弱の食事休憩を取ることにして、この作戦はうまくいったと思う。

この日も10mでDueling CQをかなりの時間出したが、残念ながら10mのopeningを捉えることは出来なかった。75mも少しはwatchしたが、非力な設備ではあまり時間を割く意味は無いと考え、40mに傾注した。2日目も21z頃には聞こえるのは強力局ばかりで相手が居なくなり、ここで閉局としたが、RBN dataを見ると40mはもう少し(さらに1時間以上)開いていたのかも知れない。

残念ながら両日ともTA-31(20-15-10m RDP)がsub antennaとして活躍することはなかった。地上高が低いこと、SSB contestでより利得が必要なこと、太陽指数が低いこと等が原因としてあったと思う。従ってSO2Rが有効に機能した場面は今回のcontestでは殆ど無かったと言える。

                    WAE DX Contest, SSB

Call: JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: Single Op HP
QTH: Kimitsu, Chiba
Operating Time (hrs): 31
Radios: SO2R

Summary:
 Band  QSOs  QTCs  Mults
-------------------------
   80:    0     0    0x4
   40:   97    20   27x3
   20:  475   309   44x2
   15:  774   821   45x2
   10:    0     0    0x2
-------------------------
Total: 1346  1150    259  Total Score = 646,464

QTH: middle of Boso Peninsula, southeast of Tokyo
Power: 1kW full legal 
Antennas: 
- Create Design 714XX (40-20-15 tribander, 3L-5L-5L) 
- 10m monobander 7L 
- 75m shortened RDP 
- 20-15-10 multiband RDP 
N1MM Logger (latest)
microHAM u2R

3830 reflectorへのpostはこちら

台風

金曜日に台風予報を見ていた時点ではcontest中に本州を直撃し、月曜日には太平洋三陸沖辺りに抜けている予想で、台風一過悠々と帰宅できると期待していた。

しかし実際には進度が遅く、関東襲来は月曜日の朝となり、contest終了時にはまだ暴風雨ですぐ帰宅する事は出来なかった。午後0時頃台風が関東を通過し、午後2時頃には風雨が止んだので下山を開始した。

ところが林道には大きな倒木が何箇所か道を塞いでおり、車を降りて軍手で倒木を動かしながらの下山となった。幸い崖崩れも無く、麓の集落に無事辿りつけたのは運が良かったというしか無い。

2013年9月13日金曜日

直前condition分析:WAE SSB

先週のAA Phoneに引き続き、今週末(9/14~15)のWAE SSBに向けRBN dataを用いた直前condition分析をしてみた。

ただしこのRBN data分析の図の解釈に当たっては、以下の点に留意して欲しい。
  • 利用しているRBN raw dataはbusted spotsを含んでいる。例えば、JE3KXTというcallがOE3KXTとdecodeされるとEUのspotとして図示される。通常pathsが無いと予想される時間帯の少数のspotsはこのようなbusted spotsの可能性が高いので無視した方が良いだろう。
  • 図のbarsの高さはspotsの絶対数ではなく、24時間のうちで最もspot数の多かった30分を最大とした相対表示である。Spotsの絶対数はbar中の小さな数字で示されているので、実際にbandsのopen度合いはこの数字を考慮して判断して欲しい。
  • このRBN data分析の目的は、大まかなopen時間帯を把握し、QSY戦略の一助とすることにある。Skimmer dataを基にしているためshort/long pathsの別も考慮されていない。
なお参考までに北米方面のdata(下半分)も図示したが、今回はWAEなので欧州のdata(上半分)のみに着目して欲しい。

2012年

対象のRBN dataは9/6~7、10~13の平日6日間とした。下図はこれら全日dataを加算した物。9/8、9(土、日)はWAE SSB Contest当日であったが解析からは外している。(平日とはCW activityがかなり異なると考えられる為。)
9/6
9/7
9/8
9/9
9/10
9/11 9/12
9/13
Avg
SFI
128 133 128 123 111 105 102 99 116
SSN
112 110 70 87 62 73 68 44 78
A
12 10 7 4 3 1 5 5 6

2013年

今年は9/5~6、9~12の平日6日間のdataをとった。9/7、8(土、日)はAll Asian Phoneの当日であった為、前述の理由で解析から除外した。
9/5
9/6
9/7
9/8
9/9
9/10
9/11
9/12
Avg
SFI
110 101 98 95 94 94 92 92 97
SSN
75 41 35 24 13 23 53 58 40
A
3 4 3 5 4 9 6 6 5
  • 一見して分かることは、2012年の方が太陽指数が良かったため10mが午後~夕刻にちゃんと開いていたことである。但し先程の注釈で述べたようにbarsの高さではなくspot実数に着目して欲しい。10mが開いていた時間帯は15mはもっと開いていたのである。

2013年9月12日木曜日

WAE CWでのQTC live

先月8月のWAE CWでの当局のQTCを、IK8TEOがYouTubeにupしてくれていた。


132回目のQTC。かなりcontest後半だと思う。1回目のQTCを送出後に相手の「R」が聞き取れず、「?」を返している。また10回分送出後に相手からの完了「TU」messageを待っていたが遅かったのでしばらく空白の時間がある。

2013年9月5日木曜日

直前condition分析:AA Phone

今週末(9/7~8)のAll Asian Contest Phone部門に備え、RBNのdataを用いてconditionを昨年と比較してみよう。

2012年

対象のRBN raw dataは 8/27~31、9/3~5の平日8日間とした。下図はこれら全日dataを加算したものである。9/1、2(土、日)はcontest当日であったが解析から外した。(平日とはactivityがかなり異なると考えられる為。)
8/27
8/28
8/29
8/30
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
9/5
Avg
SFI
111 111 118 127 130 145 142 141 137 132 129
SSN
85 73 95 118 144 120 108 156 150 105 115
A
8 4 4 3 3 5 16 31 16 32 12

2013年

8/26~30、9/2~4の平日8日間のdataとした。8/31、9/1は本年はcontest当日ではないが週末のため前述の理由で解析から外した。
8/26
8/27
8/28
8/29
8/30
8/31
9/1
9/2
9/3
9/4
Avg
SFI
111 109 108 108 107 107 103 105 106 109 107
SSN
35 61 44 55 62 60 71 84 74 77 62
A
4 17 8 2 7 11 9 8 6 5 8
こうして2年間を並べてみると、太陽活動の差が10mのopen状況の差となって現れているが、全般的な状況としては大きな差は無いのではないかと思えてきた。

2013年8月31日土曜日

N1MM LoggerのSO2R用keyboard shortcuts

殆ど自分用のmemo。micro2R等を使ってN1MM LoggerでSO2Rをする時のkeyboard shortcutsのまとめ。
N1MM Loggerの本家manualのココとかココに解説があるが、ここでは特に日本語鍵盤での使用を前提にしている。
  • N1MM Loggerがprogram言語として使っているVisual Basicのkey code判定がやや特殊な為か、鍵盤を眺めただけでは英語鍵盤での特殊文字のshortcut keysが日本語鍵盤ではどれに当たるのかわかりづらい。
もっとたくさんcommandsはあるのだけど、今回は自分が使い慣れてきて頻用しているものだけを紹介する。

Focus

 ¥  RX focus  交互に移動。
 Pause  TX+RX focus  交互に移動。
 Ctrl + ←, →  TX+RX focus  強制的に左(右)に移動。
  • RX focusはEntry focusとほぼ同じ。
  • 「¥」はshiftが「| (pipe)」のkey(通常上の段、Backspaceの左)であり、下の段にある「\ (backslash)」(shiftが「_ (underscore)」、右Shiftの左)ではない。

RX Audio

 @  Toggle STEREO  受信音のstereo/mono切替。
  • 両方のradiosが受信状態の時
    • MONO:Entry focusがある片側だけを両耳で聞く。
    • STEREO:両方のradiosを左右の耳で聞く。
  • STEREO modeではEntry focusの無い(交信していない)側も一緒に聞くのですが、微弱な信号の局は両耳(MONO mode)で聞かないと聞き取れません。状況により切り替えます。
  • 英語manualでは「` (backquote)」(shiftが「~ (tilde)」)と書かれているが、日本語鍵盤のhardware scan codeでこれに該当する「半角/全角」keyを押しても切り替わりません。なぜ日本語鍵盤で「@」になるのかですが、「@」のshiftが「` (backquote)」だからかもしれません。

Operating Modes

 Ctrl + B  Dueling CQ  左右交互CQ。(CQ + CQ)
 Ctrl + Shift + K  Focus Other  RX focusを常に非送信側radioに移動。
 Ctrl + Shift + I  Advanced SO2R  VFO動作に反応してRX focus移動。
  • 3つのmodesは排他的動作。
  • Focus Other
    • 「Focus on Other Radio(FOOR)」とも。CQ送出中は必ずSP側にRX focusが移る。CQが終了するとすぐにRun側にRX focusが戻る。但しSP側Entry窓にcallsignが入力された場合はRX focusはSP側に残り、Run側には移動しない。(SO2R menuのFocusOther Always SwapをOnにすると、常にRun側に戻る動作も可能。)
  • Advanced SO2R
    • 規則1:周波数を動かした側に自動的にRX focusが移動する。(但し両方のEntry窓が空欄の場合。)
    • 規則2:CQが終了するとRun側にRX focusが戻る。(但しSP側Entry窓にcallsignが入力されていない場合。)
    • Focus anti-Bounce (FaB)(RX focus移動の抑制):CQが終了しRun側にRX focusが戻ってから一定時間「規則1」によるSP側へのRX focus移動を抑制する。Ctrl + Shift + N で時間を調整。呼ばれ続ける時は長めにすると便利。
    • 「Focus Other」と違って、CQが送出開始されると自動的にSP側にRX focusが移ることはない。(VFO動作が必要。)

VFO Control

 Alt + F5  Swap frequencies  周波数、mode、callsignsの入替。
 RX focusが反対側radioに移動し、同じ周波数を受信し続ける。
 Alt + F6  Swap frequencies  周波数、mode、callsignsの入替。
 RX focusは同じradioに残る。つまりQSYした別の周波数を受信する。
  • TX focusはどちらも同じradioのまま動かない。つまりTX focusは必ずQSYする。
  • もう1つ、Alt+F10というcommandがあり、SO1V/SO2VではVFO A/Bの入替、SO2Rではradios間の周波数入替が出来るのだが、ICOMのradiosではSO2Rでこの機能は動作しない(=1V/2Vと同じくVFO A/B入替のみ)。理由は、一部でCI-V commandsでVFO A/Bの区別が付けられない為。

CW OPEN as JG1VGX/M

月に2回、水曜日の夜等にCWopsTというsprint contestみたいなのがあって、3830 reflectorにやたら頻繁に申告scoreがupされるので気になっていたが、仕事の都合で私は平日にはQRVできないのでこれ迄参加した事は無かった。

今回は8/31という第5週末で他のcontestsが無い時にCW Openというそれより大き目のcontestを同じ団体(CWops)が主催する事を知り興味が湧いていたが、Exchangeに名前が含まれる事、5NNのpreambleが無くいきなりserial numberを送ってくるという事で競技levelが如何にも高そうで、やや自信が無く参加は迷っていた。

今年のHam Fairで偶然CWopsのboothを見付け、真面目そうな日本人と外国人の方が2人で座っていて、小心者の私は話しかける勇気も無かったが、歩み寄って置いてあったCW Openのチラシを手に取ったところ、外国人の方が微笑みながら黙ってCWopsのbadgeを下さった。
これに対する御礼の意味も込めて、今回のCW Openに参加する事にした。

と言っても元々この週末には所用が入っていて、時間的に参加が可能であったSession 2(full time)とSession 3(最初の2時間のみ)だけの参加である。

Session 2 (8/31 12z~16z)

開始が12zとあって、最初は欧州方面狙いで15mで開始し、15mが閉じたら20mに下りようと思っていた。MembersがW主体だと認識していたので40mも試みようとは思っていたが、mobileゆえ期待は余りしていなかった。

運用地は都内江東区の見晴らしの良いお気に入りの某所である。

Setupは順調に終了し、開始とともに15mで威勢良くCQを開始した。ところが全く呼ばれない。JA局にもUA9/0局にも呼ばれない。CQを止めてbandをsweepしたら、誰も居ないではないか!やはりminorなcontestだったのかとやや失望し、40mに下りたところ、W局が結構賑やかに聞こえた。

宇宙天気を調べてみると、前日終わり頃より地磁気が不安定(K=4)であった模様で15mはこの影響で開いていないのだと思われた。40mではその影響がやや少ないようで結構mobileでもW局と相手をしてもらえた。ここでS&P中心に1時間ほど掛けて10数局QSOしてから20mにQSYしてみた。案の定こちらには欧州局が多数出ていた。やはり15mは開いていなかったのだ。SP局を皮切りにこちらでも数局とQSO、その後は20mと40mを行ったり来たりする。Condxは良くなくmobileには辛い状況だ。15z頃になると両bandsともcondxが落ちて殆ど何も聞こえなくなる。明日の予定もあり、16zまで頑張る事は止め、ここでSession 2は終了して帰宅とした。
結果は図のように40m 15局、20m 17局であった。

Session 3 (8/31 20z~24z)

これまたJA局にはきつい時間帯である。当局はSession 2を15zに切り上げて16z過ぎに自宅には着いたが、Session 3に参加するため1830zには自宅を再び出たので寝過ごすのが嫌で仮眠も取らなかった。

Session 3の運用地は千葉県松戸市の某所であるが、contest shackではなく、とある畑の中である。

20zというのはmobileから北米が開くにはまだまだ早過ぎる時間であったが、20mで空CQを出し続けていたらJA 1局に呼んで頂いた。もしやと思って40mに下りてみたらJA局でCWO CQを出されていた局が居たので1局交信できた。

21zになり15mに上がったところK0RF Chuckの強力な信号が聞こえ、何とか交信できた。その後は40m~20m~15mを行ったり来たりし、かなりの空CQを出したが、22zから用事があったため残念ながらここでQRTした。
交信できたのは結局合計7局で、うち5局がJA局。K0RF以外のDXはUA0局1局のみであった。

当初Exchangeがcopy出来るかどうか心配していたが、実際には虎の巻(TR4Wのinitial.ex file)を使用した。またExchangeをゆっくりと送信してくれる局が居たり、5NNの代わりにURを前置してくれる局も居て再送要求は殆ど必要が無かった。

2013年8月17日土曜日

RTTY in 上野公園

今週末は仕事を入れてあったのだが、予定より早く終わり時間が空いたので少しだけcontest(SARTG WW RTTY)に参加した。

上野で仕事だったが車で移動していたのでそのまま上野公園へ。「博物館通り」に車を止めました。ここは駐禁ではないのかtaxisが沢山休憩で止まっているので、安心して車を止められます。
この辺りに止めました。
隣の公園の中ではなにやら集会のようなことをやっているけれども。
Antennaはこれ。QSYが楽チンなDiamond RHM10(element長 1.77m最大)。
飛びは同じDiamondのMD200シリーズ(element長 2m)より劣るのでしょうが、それほど極端に差があるようには感じられません。東京で立体駐車場生活をしていると、HF antennaは普段取り付けておかれません。毎回の着脱にもRHM10はとても便利です。

助手席はひどい散らかりよう。仕事のカバンとか、缶coffeeとか関係の無い物まで。とりあえずこれで波を出してみる。
Loggingは今回もQARTest v3.6,1を使った。最初DXLog.net(by 9A5K)とか5MContest(by UW5M/UT7MA)でやろうかと思ったのだが、CATやRTTYの設定がうまくいかなかったのであきらめた。Softwareの問題ではなく当局の勉強不足だと思います。QARTestは機能はsimpleですが、動作が安定していると思います。
運用していると結構前後に車が止まりますが、SWRや飛びはそれほど変わりません。
4z~7zの3時間運用で計10局でした。動作testとしては満足という事で。
 これが第1 coursの全log。

2013年8月12日月曜日

WAE CW @JG1ZUY

今年もやってきた夏の風物詩。ここ3年ほど君津の知人shackから運用させていただいている。

このcontestはsingle opの場合休憩時間が12時間必要で、通常欧州へのpathがない朝は休憩に宛てられるので開始時間を遅らせることが出来、平日仕事で疲れ切っている私には嬉しいものだ。

といっても開始時0zには20mがまだ欧州に開けている可能性があるのだが、今回は体力的に無理をしないことに決め、朝10時頃のんびりと東京の自宅を君津に向けて出発した。しかしこれは出発がちと遅すぎたのであって、高速湾岸線の浮島JCTの手前からアクアライン渋滞が始まっていて、木更津に抜けるのに1時間ほどかかってしまった。

山のshackには13時頃には到着したが、急ぐ必要も無かろうと、食事をしたり、antenna作業やrigsのsetupをゆっくりしていたら運用開始は15:50頃となった。かなりののんびりstartである。

地磁気は幸いにも比較的静穏であったが、やはりcycle peakを過ぎたようで10mは死んでおり、例に漏れずやや低調な展開だった。


今回は、WPX CWに引き続きmicro2Rを使ったSO2Rの練習のつもりで参加し、scoreには囚われないことにした。また月曜日に有給休暇は取らなかったので、体力温存も心がけた。

5月のWPX CWではSO2R用のsub antennaとして釣竿vertical+ATUを使ったが、今回はナガラ TA-31を簡易設置したので、久し振りにhigh power部門で参加することにした。
見て分かるとおり、poleの高さは5mも無い程度だが、これでもsub antennaとしては使えていた。Dipoleというのは改めて面白いantennaだと思う。通常のYagi beamだとfrontのgainだけで勝負する感じだが、dipoleはもしかしたらbackからのlong pathも拾って強め合う効果があるのではないか?と思えた。(ただしこの高さで8の字形のpatternが出ているのか疑問はある。)QTCsも全然問題なくこのantennaで送られた。前回の釣竿より耳も飛びも良さそうな感じだ。

ではRBNでのspot dataをgraph化して見たopen状況と比較しながら運用を振り返ってみよう。図の濃い背景部分はOFF TIMEs。詳しく見たい方は図をclickすると拡大表示されます。

<day 1: 8/10> SFI=102, SSN=76, A=5


先ほど述べたように0650zの運用startなので、のんびりし過ぎてちょっと(1時間半程)出遅れた感じではあった。15mは比較的快調だったが、10zには早くも「中枯れ」してしまう。15mが夜通し開いていた6月のAA CWとは異なり、立秋を過ぎたWAE CWは実は秋のconditionの始まりなのかもしれない。20mは開き始めてはいたが11z台は両bandsとも非常に低調だった。このため12z頃小休止し、夜中の20mに備えてコンビニ弁当をチンして腹ごしらえした。

夜中の20mはそこそこだったが、一昨年~昨年と比べて伸びなかった気がする。40mが開く時間帯は前日のRBN dataから把握していたので戦略的にQSYした。Open時間が短いが、あまり早く40mに下がるのも得策ではない。何故か19z台に20mの不自然な落ち込みが見られるが「中枯れ」なのか、皆が40mにQSYしてspotsが減ったのかは分からない。

20zを過ぎると40mは落ち始め、この頃20mのpaceも上がらなかったため、朝再び20mが上がってくることは予期していたが、睡魔が徐々に襲ってきてここで少し早かったが水平飛行に遷移した。これは今にして思えば判断ミスだったと思う。ここでもかなりscoreをロスしたに違いない。

<day 2: 8/11> SFI=110, SSN=90, A=4

2日目は、1日目の出遅れを反省し、RBNをmonitorしながら15mで欧州が開き始めたと同時に運用を開始した。ところが東京都市部のheat island現象で下図のようにお決まりの雷雲が東京多摩~神奈川北部に発生し、丁度君津から見ると欧州の方角で、バリバリという静電crash雑音がひどくrunning不能(numberが取れない)のため、雷雲が通り過ぎるのを期待してここで再び戦略的休憩(単に睡眠とも言う)を取った。
この戦略はある意味正解で、少し長く寝すぎてしまったが、90分後に目が覚めたときには雷雲は消え、run出来る状況になっていた。Hooray!

10mは基本的には閉じていたが、SO2Rのおかげで15mでrunningをしながら10mでCQを垂れ流していたところ、1020z~1140zの間に6局、4 mult(LZ, I, HA, UA)をlogすることが出来た。SO1RによるQSY戦略ではこれは出来なかった事と思う。

この日は15mの中枯れはみられなかったが、14z頃閉じ、以降は20mがmain bandとなった。前日と同じく40mのopen時間を見計らい、また7時頃までには東京の自宅に渋滞に巻き込まれないようにして帰宅しなければならないため、運用終了を予め午前4時過ぎと決めてひたすらスコアメークした。20mのpaceが比較的良く、19z前に40mに下りてみたが何故か1日目とは異なり空電がひどくrunningが困難であったので最後まで20mで運用を続け、空がうっすら白み始めた午前4:20に運用を終了、撤収を開始し、夜が完全に明けた5時過ぎに無事下山を開始、帰宅の途に就いた。

結果は次の通り。
Call: JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: Single Op HP
QTH: Chiba
Operating Time (hrs): 26:10
Radios: SO2R

Summary:
 Band  QSOs  QTCs  Mults
-------------------------
   80:    1     0    1x4
   40:  163    24   28x3
   20:  511   466   41x2
   15:  514   699   38x2
   10:    6     0    4x2
-------------------------
Total: 1195  1189    254  Total Score = 605,536

Power: 1kW full legal
Antennas:
- Create Design 714XX (40-20-15 tribander, 3L-5L-5L)
- 10m monobander 7L
- 80m shortened RDP
- 20-15-10 multiband RDP
QTH: Kimitsu, Chiba (QM05bg)
N1MM Logger v13.8.0
microHAM u2R
3830 reflectorへのpostはこちら

2013年7月28日日曜日

IOTA Contest (with QARTest)

IOTA Contestにmobileからチョットだけ参加した。参加したのは土曜の夜JST22:45~1:45の3時間ほど。

当初はseriousに参加する気もあったが、土日とも車で遠距離移動する所用があり疲れてしまい、改めてsingle opで長時間mobileに籠る気になれなかったのである。

CT派生のIK3QAR謹製、QARTestをloggingに用いてみた。以前にも紹介したものである(ココココ)。

前回動作しないと書いたが、IC-706mkIIとのrig controlは今回はうまく動作した。Networkの設定もして、online score serverのcqcontest.netへのscoreのpostingも行うことが出来た。
  • 最初、チョット設定を間違えたので、上のscreen shotではQSOがDUPE記録されている(clickして拡大すると分かる)が、その後修正した。
N1MM Logger等を使い慣れているとband mapが無いのがチョット寂しいが、(上図右上の)rate graphはN1MM Loggerには無い機能なので、見て楽しめるし良いと思う。Win-Testにもあるけどね。

QARTestの動作試験にはなったかな。

2013年7月14日日曜日

IARU HFのcondition

昨年までのconditionはこちらをご覧ください。

今年のdataです。昨年に引き続き、今年も宇宙天気がいま一つでした。
  • Contest期間中はK<=3に収まってはいたものの、電子流と磁場の変動はcontest後半から明らかであり、contestの翌日はK=5となっています。Contest後半から事実上の磁気嵐だったと言ってもよいでしょう。

RBN spotsによるopen時間の解析です。真ん中の線が開始(終了)時間12zで、右側が初日、左側が2日目を表します。(Clickで拡大)

  • 15mは初日の欧州は奥(ITU Zone 27)まで開き比較的快調でしたがそれでも比較的早く閉じてしまいました。朝の北米へのpathは惨憺たるもので東海岸は全く聞こえませんでした。2日目の欧州も、見て分かるとおり磁気嵐の影響をもろに受け高緯度は全く入感せず、Italyなど比較的低緯度の強い局しか入感しない状況で、スコアメークに大変苦労させられました。
  • 初日の20mが閉じた辺り(21z頃)から磁気嵐が発生しcontest終了まで続いていたのではないでしょうか? それでも、強い影響を受けていた欧州向けhigh bandsに比し、北米向けlow bands(40m以下)が2日目もそこそこ生きていたのは不思議です。Low bandsは磁気嵐の影響が少ないのでしょうか?

2013年7月1日月曜日

AP Sprint #55 (Summer, SSB) 敗因分析

8J1MTDという記念局callを使わせていただき参加したAP Sprint #55 (Summer, SSB)の結果が出たので、早速「一人反省会」を行った。その結果を報告する。

2013年

6/8 SFI=103, SSN=27, A=8
まず当日のconditionだが、実感としてもあまり良くなかった様に記憶している。元々参加局数の少ないcontestだが、後半は特に21MHzがbandが閉じてしまった感じで交信相手が居なくなり困った。

宇宙天気の各指数を見ても、黒点は太陽の裏側に回ってしまったようで太陽指数は底打ちをしており、地磁気もやや荒れ気味で、contest期間はK指数こそ3にとどまっていたがかなり磁気嵐っぽい印象を受けた。

さて当局(8J1MTD)の結果である。QSO数はのべ53局であったが、1局はこちらがnumberを確認する前に居なくなってしまったのでnumber違いで減点となったが、これはまあ仕方が無い。

15m 20m Total
 Asia-Pacific
14 21 35
 Outside AP 9 9 18
 Total 23 30 53

次が公式結果である。15/20mで交信15mのみで交信20mのみで交信と色分けした。Log非提出局は最下行に追加した。
    Asia-Pacific
    CALL       SCORE QSO PNTS MULT (Accuracy)
    _____________________________________________________
    RU0FM       3900  80  78  50   ( 97.5%) *
    RM0F        2816  65  64  44   ( 98.5%) *
    JA7NVF      2795  68  65  43   ( 95.6%) *
    E21EIC      2752  65  64  43   ( 98.5%)
    BU2AW       2255  57  55  41   ( 96.5%)
    JH1EAQ      2223  58  57  39   ( 98.3%)
    JM1NKT      2166  57  57  38   (100.0%)
    8J1MTD      1768  53  52  34   ( 98.1%)  OP JG1VGX
    YB8HZ       1540  45  44  35   ( 97.8%)
    7L1FFH      1440  46  45  32   ( 97.8%)
    RW0UU       1302  45  42  31   ( 93.3%)
    JE4MHL      1247  44  43  29   ( 97.7%)
    JA7YCQ       875  36  35  25   ( 97.2%)  OP JP7DWF
    E21YDP       837  32  31  27   ( 96.9%)
    JK2VOC       748  35  34  22   ( 97.1%)
    DU1AV        672  34  28  24   ( 82.4%)
    RW0UM        600  25  25  24   (100.0%)
    9V1YC        540  27  27  20   (100.0%)
    UA0LCZ       300  21  20  15   ( 95.2%)
    JR1NKN       300  20  20  15   (100.0%)
    RA0SMS       288  18  18  16   (100.0%)
    BA3AX        210  17  15  14   ( 88.2%)
    RA0LMK       168  15  14  12   ( 93.3%)
    HS3LSE       132  13  12  11   ( 92.3%)
    VK6DXI       121  11  11  11   (100.0%)
    YC5OO        110  11  11  10   (100.0%)
    JE1CWQ        64   8   8   8   (100.0%)
    JN1BBO        56   8   8   7   (100.0%)
    JH4FUF        36   6   6   6   (100.0%)
    JJ4NZO        30   6   6   5   (100.0%)
    JJ1LRD        25   5   5   5   (100.0%)
    BG4UQX        25   6   5   5   ( 83.3%)
    9V1DE         25   6   5   5   ( 83.3%)
    JG1GCO         9   4   3   3   ( 75.0%)
    ZL3TE          1   1   1   1   (100.0%)

    JA8EWA
            -   -   -   -
    6K2GFC
            -   -   -   -

    Outside Asia-Pacific
    CALL       SCORE QSO PNTS MULT (Accuracy) 
    _____________________________________________________
    RA4I        1066  43  41  26   ( 95.3%) *
    RA3NC        600  31  30  20   ( 96.8%)
    YO3CZW       546  27  26  21   ( 96.3%)
    RT9YW        442  28  26  17   ( 92.9%) *
    UA3ABJ       340  22  20  17   ( 90.9%)
    RW9Y
             294  23  21  14   ( 91.3%)
    UT5C
             252  18  18  14   (100.0%)
    K3ZO
             169  13  13  13   (100.0%) *
    UA6LPN
           126  14  14   9   (100.0%)
    FO5MD
            110  14  11  10   ( 78.6%) *
    4S7JL         72   9   9   8   (100.0%)
    SM4DQE
            64   8   8   8   (100.0%)
    RA3UT         63  11   9   7   ( 81.8%)
    RV9YK         42   7   7   6   (100.0%)
    UT7Y
              36   6   6   6   (100.0%)
    OH1TD         12   4   4   3   (100.0%)

"number contest"なので負けていることは試合中に分かっていたが、やはりAsia-Pacific中8位、JA中4位と不本意な結果に終わった。
このcontestはJAからの参加者が多いので、Sakhalinや台湾からの参加は、多くのJA局とskipなしに交信できて有利なのかもしれない。

Sporadic Eはどうだっただろう?当日のionosondeのdataをNICTから調べてみた。
これで見ると臨界周波数は国分寺で7MHz、山川で6MHz、稚内で4MHz程度だから、東京~西日本を中心に軽いSpEは出ていたといえるだろう。

当局はJA1の多くを落としているが、これはskipで仕方が無いとして、他のエリアはこの弱いSpEを利用してもう少し何とかならなかったかなと思う。

JA中4位となったが、claimedで見ると、同じJA1 area局と最大5局、5マルチ(=WPX)離されている。あと5局位は交信できる余地があった筈だ。JAのtopであるJA7NVFとは15局、9マルチ離されている。これはJA1や西日本との交信のしやすさからJA7に有利性があったのだろう。

JA局で局数を稼ぐ事に重要性があるようだから、skipを考えると意外にJA1から勝つのは難しいのかもしれない。JA1の参加局を直接波で拾い集めるために何かantennaの工夫が必要かもしれない。

またAP Sprintのこの部(15/20m SSB)は6月の開催とあって、Sporadic Eが出ているか否かによってJA局の成績に影響を与えそうだ。出るとむしろJA1局には不利に働くのかもしれないが。

2013年6月23日日曜日

IARU HFのconditionを振り返る

RBN(Skimmer)dataをViewPropというsoftwareに流し込み、JAと欧州(EU)、北米(NA)のopen状況を時間chartで視覚化してみました。

解説


まずは各年のcontest当日の太陽活動と地磁気活動をNOAASolar Terrestrial Activity Reportのhome pagesからのdataで示します。図は上から陽子流、電子流、磁場、K指数の順に並んでいますが、灰色の横棒がcontest期間(24時間)です。

次にspotsのtime chartを示しますが、12:00~24:00が1日目を、0:00~12:00が2日目を表しています。つまり12:00の線では不連続になっています。まずこの真中の線から右に読んで行ってください。10個のchartが上から欧州(10m-15m-20m-40m-80m)、北米(同じ)に並んでいます。

Barの中(脇)の小さな数字はspot数を表してます。お分かりのようにbarの高さは絶対値ではなく、そのchart(band)の最大値で補正されています。このため、band間の比較はbarの高さで行うのではなく、実際のspot数を見てください。

Spot数には、
  • JA skimmersがEU/NA局をspotしたもの
  • EU/NA skimmersがJA局をspotしたもの
この両方が含まれます。

また多少のbusted spotsも含まれています。例えば JE1・・・がOE1・・・とdecodeされEU局として認識される等です。openがありえない時間/bandで若干のspotがみられるのはこのためです。小さな数字は無視してください。

各画像はclickすると拡大します。

2012年

7/14 SFI=147, SSN=120, A=19
7/15 SFI=140, SSN=134, A=78
  • Sun spotsはそこそこだったのですが、1日目の後半からひどい磁気嵐に見舞われています。(太陽から陽子や電子が飛んできて磁場が乱れている。)2日目が低調だったのはこのためですね。

2011年

7/9 SFI=85, SSN=55, A=12
7/10 SFI=90, SSN=67, A=12

  • この年も少しだけ太陽から電子が飛んできていたようですが、磁場の乱れは2012年程大きくはなく、普通のconditionだったようです。
  • しかしcycle peakにしては月並みなsun spotsで、10mは殆ど開きませんでした。
  • 15mは初日の欧州方面の出だしは非常に悪かったようですが、2日目には回復しています。
  • 40mは特に北米向け、まあまあ良かったようですね。

2010年

7/10 SFI=79, SSN=18, A=2
7/11 SFI=82, SSN=25, A=5

  • この年は地磁気は非常に静穏でしたが、いかんせんsun spotsが低調でした。10mはさっぱりです。
  • 15mも北米方面は殆ど開かなかったようです。
  • その御蔭かどうか、夏にしてはまあまあ40m(や80m)が長時間開いています。

2009年(参考)

7/11 SFI=68, SSN=0, A=4
7/12 SFI=68, SSN=0, A=5

  • この年はまだskimmerの数が少なかったため、dataは参考にとどめてください。他の年とは比較できないと思います。
  • なんとsun spotsがゼロ!!地磁気は静穏だったんですけどね。