2014年2月22日土曜日

FTDI USB<->Serial(TTL)変換Cableを用いた、Kenwood TS-450/690/790/850/950用Rig Control Cableの製作

この時代のKenwoodのrig control interfaceは、背面のDIN 6pin connector(ACC1)にserial信号がTTL負論理で出ているという大変特殊なものである。

TS-950を使う機会があったので、秋月電子通商で入手できるFTDI USB<->Serial(TTL)変換Cable(税込み 1,340円)を用いて、rig control cableを自作してみることにした。秋月のこのFTDI USB cablesには5V品と3.3V品がありますが、今回使用するのは5V品です。間違えて3.3V品を買わないように・・・(もしかしたら動くかもしれないけど[未確認])。

DIN connectorは秋月では売ってませんので、隣の千石電商かマルツパーツ館等で入手しましょう。
なお、同じideaの物はeBay等で手頃な値段で販売されていますので、こうした完成品を買われても良いと思います。

製作の際には、TS-950SDXの取扱説明書(パソコンコントロールの頁、端子信号表がある)の他、こちらのKL7NAのpageが大変参考になりました。

作り方


秋月のFTDI USB<->TTL Cableのpin端子側をばらし、DIN connectorに配線します。GND、TxD、RxD、CTS、RTSの5本を配線し、FTDI Cable側のVCC 5Vはもちろん配線しません。

注意すべきなのは、TxDとRxD、CTSとRTSはstraight配線ではなくcrossさせることです。

なお、CTSとRTSは配線せず、Kenwood ACC1側のDIN connectorの4(CTS)と5(RTS)を短絡せさせておくだけでも動作します。(つまりこの場合GND、TxD、RxDの3本しか配線しません。)

次に、Kenwoodのrig control通信のTTL負論理に対応させる必要があります。これにはFTDI社提供(無料)のFT_PROGという専用toolを用いてcableに内蔵されているFT232R chipの信号論理を反転させます。EEPROM書き換えですが、特別な治具は不要です。

Download後、USB cableをPCに接続し、FT_PROGを起動します。
EEPROM tabのDevices > Scan and Parse (F5)でcableが認識されるはずです。(認識されないようなら先にFTDI USB cableのdriverをinstallしてください。)
上図のようにHardware Specific > Invert RS232 Signalsと辿り、TxD、RxD、RTS、CTSの4つの信号に反転のcheckを入れ、Devices > Program (Ctrl+P)を実行するだけです。

以上で完成です!!

FTDI USB<->TTL Cableの利点


USB Serial変換chipはFTDI(Glasgow, Scotland)の他、Prolific(台湾)、Silicon Labs(Texas, USA)等が有名所です。後2社の方がcost performanceは良いのですが、信頼性ではFTDIがピカ一のようです。

Prolificは安価なUSB Serial変換cablesによく採用され、人気のある秋月の900円のcableもこのchipですが、困ったことに中国製の偽造chipsが広く出回っています。Prolific社は最近のdriverでは識別対策を取るなどしており、またWindows 8でchipの古いversionには対応しないなど不便な点が出てきています。残念ですが秋月cableはHXAというこの古いversionに該当し(偽造chipではありません、念の為)、Windows 8では動作しなくなっています。(古いdriverなら動作する可能性がありますが、推奨できません。Windows Updateを行うと新しいdriverに上書きされるでしょう。)

FTDIはWindowsの全てのversionに対応していますので、このような心配もなく安心して使えます。

また本記事の応用例として、同じcableを用いてKenwoodだけではなくICOM CI-VやYaesuのTTL信号形式(FT-817/857/897等)用のcableも、同様に作成することが出来ると思います。

2014年2月1日土曜日

Buffalo外付けUSB HDDの修理

HD-CNU2シリーズ
3年以上使ったとは思うBuffaloの外付けUSB HDD(HD-CN1.5TU2)の調子が2~3週前から悪い。自動的に切断、再接続を繰り返す。そろそろ寿命かと思い急いで代替品を注文したが、届く前についにaccess出来なくなってしまった。まずい、まだback upしていない。

症状だが、HDD unitの電源を入れても、PCから全然認識出来ない。とにかくunitの故障なのかHDD本体の故障なのか、開筐して調べることにした。HDDが生きていたら、dataを吸い上げることが出来る。

そういえば、今回は特にHDD故障の時によくある異音は全くしていなかった。Unitの故障だといいのだが・・・・。

開筐はとても簡単で、筐体下面前方のネジ1本を外し、前面coverを外すだけ。Coverの上部は爪で固定されているだけ。後は左右coversを引き抜く。HDDはinchネジ2本で簡単に外れる。

まずHDDを取り外し、別のSATA-USB interfaceを付けてみた。今度は問題なくPCで認識できた。異音もしない。これでdata救済は成功だ。良かった。

ならunitの故障だろう。比較的スカスカの筐体の中にはinterface基板と電源基板しかないが、壊れるものといったら電源基板しかないだろう。
やはりだ。電源基板に超怪しげなcapsを発見。
液漏れしてるし、こりゃダメでしょうな。ちゃんと電源供給出来なくなって切断・再接続を繰り返していたわけだ。

容量・耐圧は2200μF 10Vと1000μF 16V、一応105℃品のようだ。部品を探さなくてはならないが、基板にぴたりsizeなので計測してみる。φ10mm☓20mm高である。交換用capsは直径が1mmでも大きいと入らない。

完全にぴたりではないが、秋月電子で同規格の物(ルビコン、国産品)が簡単に入手できた。高さが同じではないが、直径はφ10mmの物だ。部品代たったの110円也。

2日後、届いたので交換してみる。
少し背が高いのと低いのになったが、スカスカの筐体なので問題ない範囲である。

外したcapsは台湾Ltec(輝城電子股份有限公司)というmakerのLZG series。検索してみると液漏れで有名らしい。規格表によるとφ10mm品は寿命6,000時間だが、うちのPCは常時電源ONに近いから、それ位は確かに使ったかもしれない。しかし105℃で使っていた訳ではないから、やはりこのcaps、寿命は短すぎるよね。

筐体を組み戻したところ、問題なく動作した。成功だ。