2011年5月3日火曜日

GM管LND-712の寿命

「GM管には寿命がある」という噂を聞いたような気がしたので、LND-712のmakerであるLND社にemailで問い合わせてみた。寿命は 5E10 counts だそうである。

これは50,000,000,000回なので、今のbackground値(15cpm)程度の放射線を計数し続けたとしても、5E10/(15*60*24*365.25)=6338年の寿命があることになる。仮に今のbackground値の100倍の放射線であったとしても63年である。
LND-712の寿命は事実上ない
と言って良さそうだ。(mica面を割ったりしない限り。)
makerのspec sheetにも寿命は記されていない。

寿命がこのように長いのは、Wikipediaによれば、最近のGM管は一度電離されると元に戻らない希ガス(Neon)の電離ではなく、少量混入されたHalogenの電離により電流が流れる仕組み(Halogenは電離後元の状態に戻る)だからだそうである。

2011年5月1日日曜日

Strawberry LinuxのGeiger Counter ★★★★☆


入荷連絡が来てから10分間で売り切れるという争奪戦を何とか制し、入手できたStrawberry LinuxのUSB Geiger Counter Kit。早速組み立ててみた。

USB接続、電源(USB/外部両用)、LCD表示までがcompactにまとめられている良いkitだと思う。
欲を言うなら、マイコンがCypressでなくPICとかAVRだったら書き換えて遊び易かった。あと、付属のsoftwareがもう一つかな。Libraryが公開されているようなので、いろいろ作ってくれる人がいると良いけど。(参考:米Black Cat SystemsのGeiger Countersの方が、softwareはやや充実しているようだ。)

CypressのCY7C63723CというMPU。MouseなどのUSB applications用らしい。確かにこんなに小さいDIP版でUSB内蔵の物はPICやAVRには無いよね。誰か高機能firmwareを作ってくれないかな。

Mica面を傷付けないようにGM管の取り扱いには細心の注意を払って組み立てた後、専用caseに入れる。Mica面の正面に穴開け加工はされていないから、caseに入れるとα線は測れなくなるが、まあいいだろう。GM管は単芯銅線を捩って基板に固定した。

専用caseの蓋を閉めて完成。都内の自宅では13~14cpm位の値を示していた。

良く分からないのが、cpm→μSv/hへの変換。Net上のいろいろなGeiger mapsを見ていると、測定器によりかなりばらつきがあることが分かる。一桁位違う。

そもそも、γ線だけを計測する機器もあれば、α、β、γ全て測っている物もある。全部一緒に比べて良いのか?到達距離を考えれば、γ線だけを測れば良いのだろうけど。(ところで計測できたα、β線は至近距離から出ていることになるけど、そんなに放射性物質が身の回りに在るのだろうか?)

某Geiger mapではこのGM管 LND-712の場合は、1cpm=0.00233μSv/hを用いている所が多い。が、ほぼ同類のGM管を使っていると思われるBlack Cat Systemsのsiteによると、Cs137については1cpm=0.00833μSv/hだそうだ。線源によっても換算値が異なるらしい。もちろん、GM管の大きさによっても、cpmは変わってくるだろう。

つまり、GM管・線種・線源を特定しなければ、単に係数だけでcpm→μSv/hへの変換は出来ないようだ。結局はcpm値でtrendを見ていくのが確実と思われる。

いまいちのsoftwareしか付いていないなあ、と思っていたら、pachube並みの素晴らしいdata共有・表示siteを発見!早速登録させていただいた。