TS-950を使う機会があったので、秋月電子通商で入手できるFTDI USB<->Serial(TTL)変換Cable(税込み 1,340円)を用いて、rig control cableを自作してみることにした。秋月のこのFTDI USB cablesには5V品と3.3V品がありますが、今回使用するのは5V品です。間違えて3.3V品を買わないように・・・(もしかしたら動くかもしれないけど[未確認])。
DIN connectorは秋月では売ってませんので、隣の千石電商かマルツパーツ館等で入手しましょう。
なお、同じideaの物はeBay等で手頃な値段で販売されていますので、こうした完成品を買われても良いと思います。
製作の際には、TS-950SDXの取扱説明書(パソコンコントロールの頁、端子信号表がある)の他、こちらのKL7NAのpageが大変参考になりました。
作り方
秋月のFTDI USB<->TTL Cableのpin端子側をばらし、DIN connectorに配線します。GND、TxD、RxD、CTS、RTSの5本を配線し、FTDI Cable側のVCC 5Vはもちろん配線しません。
注意すべきなのは、TxDとRxD、CTSとRTSはstraight配線ではなくcrossさせることです。
なお、CTSとRTSは配線せず、Kenwood ACC1側のDIN connectorの4(CTS)と5(RTS)を短絡せさせておくだけでも動作します。(つまりこの場合GND、TxD、RxDの3本しか配線しません。)
次に、Kenwoodのrig control通信のTTL負論理に対応させる必要があります。これにはFTDI社提供(無料)のFT_PROGという専用toolを用いてcableに内蔵されているFT232R chipの信号論理を反転させます。EEPROM書き換えですが、特別な治具は不要です。
Download後、USB cableをPCに接続し、FT_PROGを起動します。
EEPROM tabのDevices > Scan and Parse (F5)でcableが認識されるはずです。(認識されないようなら先にFTDI USB cableのdriverをinstallしてください。)
上図のようにHardware Specific > Invert RS232 Signalsと辿り、TxD、RxD、RTS、CTSの4つの信号に反転のcheckを入れ、Devices > Program (Ctrl+P)を実行するだけです。
以上で完成です!!
FTDI USB<->TTL Cableの利点
USB Serial変換chipはFTDI(Glasgow, Scotland)の他、Prolific(台湾)、Silicon Labs(Texas, USA)等が有名所です。後2社の方がcost performanceは良いのですが、信頼性ではFTDIがピカ一のようです。
Prolificは安価なUSB Serial変換cablesによく採用され、人気のある秋月の900円のcableもこのchipですが、困ったことに中国製の偽造chipsが広く出回っています。Prolific社は最近のdriverでは識別対策を取るなどしており、またWindows 8でchipの古いversionには対応しないなど不便な点が出てきています。残念ですが秋月cableはHXAというこの古いversionに該当し(偽造chipではありません、念の為)、Windows 8では動作しなくなっています。(古いdriverなら動作する可能性がありますが、推奨できません。Windows Updateを行うと新しいdriverに上書きされるでしょう。)
FTDIはWindowsの全てのversionに対応していますので、このような心配もなく安心して使えます。
また本記事の応用例として、同じcableを用いてKenwoodだけではなくICOM CI-VやYaesuのTTL信号形式(FT-817/857/897等)用のcableも、同様に作成することが出来ると思います。
FTDIのチップでCW Keyingケーブルを作ったのですが私のPC環境ではDTRもRTSも既定値がHiで困ってましたFT_PROGなんて便利なツールが合ったんですね、助かりました
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