先日のARI International DX Contestは珍しい3 modes (CW, SSB, RTTY)のcontestだったので、各modeでSO2Rを試す丁度良い機会だと本番でいろいろ実験してみたが、CW以外まともに動かせられなかった。
そこでcontest後になってしまったが、反省を込めて、大型連休を利用してManualに全部目を通し、接続・設定を再確認し、各modes一通り運用できるようにしたので、ここに備忘録として書き留めることにした。
結線図
電波形式によっては全てを結線しなくてよいので、配線を色分けしてみた。
- PCとu2R間のUSB cable等、一部の配線は省略している。
- これはradio 1台分の配線。実際にはもう1台のradioも同様に配線される。
- 赤と青の矢印は、信号の向きを示す。
- 赤 Radioへの入力、u2Rからの出力
- 青 Radioからの出力、u2Rへの入力
- ACC端子の「DIF-3 cable」というのは、筆者がTechnical ShackのDIF-3 Digital Interface用の接続cableを流用(改造)したものを使っているからで、DIN端子から必要な信号を取り出せればどんなcableであっても良い。
電波形式毎の運用
CW
一番簡単である。上図凡例の「ALL」と「CW」の配線を接続する。ただしPTTを配線しないこの状態では、USB Device RouterでPTTをtriggerする設定をしても当然だがPTTは駆動されないので、rig本体のbreak-in機能を使うことになる。
Break-inだと高速CWでは少し符号の頭が途切れがちになる場合があるので、できればCWでもPTTは配線し、送受信をPTTで制御した方が良いだろう。PTTは8pin MIC端子か、背面のACC端子経由で配線する。
Paddle接続はお好みに応じて。
Voice (SSB)
CWとは異なり、音声系の配線が必要になる。上図凡例の「VOICE」を含む一連の配線を行う。FOOTSWはあった方が便利でしょう。SEND→PTT INの配線はrig側からu2RにPTT信号を送るもので、u2Rの正しいVOX動作の為に必要になります。
Microphoneについて
- Dynamic/Electret elementsの切り替えは本体内部のjumperで行います。Electretの場合、bias電圧をtip/ringのどちらに印加するか選択できます。
- Electretの場合、mic端子が
- 3.5mm monoの物(Heil iC等)は当然ですがtipに印加します。
- 3.5mm stereoの物(通常のPC用multimedia headsets)はringに印加します。
- (参考)PCのMIC IN端子はtipとringの両方に約2~3Vのbias電圧が出ています。
FSK (RTTY)
FSKだけならCWの次に配線が少なくて済みます。USB audio codecを内蔵している最近のrigsの場合、受信音声はCATと同じUSB cable経由に出来ますので、後はFSKとPTT信号を配線するだけです。PTTは8pin MIC端子経由でも良いのですが、FSKと同じ背面のACC端子経由としてしまえば配線が1本減らせます。
MMTTY等のapplication内で受信音声(録音)を該当のUSB deviceに正しく設定します。
- EXTFSKは使用しません。u2Rが正確なFSK信号を生成しますので、MMTTYの「PTT & FSK」では直接COM port(USB Device Routerで指定した物)を指定します。
- 最近のN1MM Loggerでは、ConfigurerでDigital port(FSK送信 port)の設定が不要になり、MMTTY等のapplication内で設定する方式になったようです。(Configurerで設定しても動作に影響は無いようだが、無視されている?)
AFSK (PSK等)
基本的にはVoice用の配線と同じです。- 受信音声(録音)は、FSKと同様にUSB audio device経由にします。(出来ない場合は下記「USB audio codecを内蔵していないrigsの場合」を参照。)
- 送信音声(再生)はUSB audio device経由には出来ません(*)。これは、u2Rでlevel調整などを行えるようにするためです。RigsのALC表示を見ながら、送信音が過変調にならないように前面のツマミで音声levelを調節します。(つまり送信音声はanalogとなります。)
(*)と書きましたが、その後N1MM Logger/MMVARIを使用して、送信音声(再生)をUSB audio device経由にしても使える事が判りました。
- N1MM LoggerのDigital Interface Windowの「Setup/Settings」→「MMVARI Setup」で「Output Soundcard(DI1/DI2)」をそれぞれのrigの内蔵USB audio codecにします。受信(Input Soundcard)と同じになるはずです。
- 送受信音声ともUSB cableを経由しますので、u2RとPC間の「SC OUT←→PC PHONES」、「SC MIC←→PC MIC IN」の2本の配線、「u2R(DB9)→rigのMic端子(8p)」への音声配線は不要になります。
- 送信focus(PTT)はN1MM LoggerとUSB Device Routerが制御してくれますが、rigへのPTTの送り方には複数の方法があります。
- 1. 前面MIC端子または背面ACC端子経由で結線(hardware PTT)
- u2R(USB Device Router)を介して制御します。このやり方が一番確実です。
- 2. CAT commandsによるsoftware PTT
- PC(N1MM Logger)からrigを直接制御します。
- 3. Digital VOX
- USB経由音声に対するrigのVOXです。
- 後2者の方法では、以下のいずれかを行わないとu2RはPTT状態を検知できません。ですが検知できなくてもN1MM LoggerがrigsのPTT制御を直接行うので、SO2R運用自体に影響はないものと思われます。
- PCからu2Rにhardware PTTを同時に出す。
- rigのSEND→PTT IN(DB9)の結線をする。
- 送信音声はu2Rを経由しませんので、前面のツマミで送信音量(変調の深さ)を調整することは出来ません。Rigsに内蔵されたUSBの音量調整機能を使って下さい。
(2014/5/21 追記)
USB audio codecを内蔵していないrigsの場合
FSK、AFSKの受信には、rig背面のACC端子のAF OUTからのanalog音声を用います。配線は下図の様に一部変更されます(右上の深緑色の部分)。
PCのMIC IN端子はmonauralであるうえUSB Device RouterのVoice録音機能により既に占有されていますので、stereoのLINE IN端子を用います。Laptop PCsには通常付いていませんので、安価な外付けUSB audio device(単なるMic端子付ではなく、LINE入力の付いているもの)を使いましょう。
また、ground loop noise対策として、isolation transformer等を挟む方が良いでしょう。
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