既に現役使用から引退している2009年modelのネットブック(下記:dynabook UX/27、XP搭載)に軽量Linuxをinstallしてみようと思い、いろいろ試してみた報告である。
来年以降もXPを使い続けることにはやはり不安がある他、4年も使い続けたネットブックはapplicationsてんこ盛りで遅くて使用に耐えない物になっていた。筆者は15年程前よりLinuxを使い始め、今もAmazon Cloud上の2台のDebian serversでAPRS-IS serversやDX Clusters等を運用しているが、ここ数年Linuxを使うのはserver用途が主で、desktop Linux OSを試すのは本当に久し振りである。
選択のpoints
- 使い古した遅いmachineにinstallするので、「軽量」であることが最優先。
- Debian(またはUbuntu)系。これは私の好み。
Linux Mint ★★☆☆☆
Version: 16 (Petra), MATE desktop
調べてみると、現在最も人気が高いdistributionという評価が多く、真っ先にinstallしてみた。複数のwindow managersが選べるというのも良いかもしれない。今回は最新版GNOME 3に準拠したCinnamonの方ではなく、GNOME 2に準拠しより安定性の高そうなMATEというwindow managerのversionを選択した。しかし次の点で私の好みに合わないため、残念ながら真っ先に削除してしまった。
- 重い。無駄が多すぎる。
- あらゆるapplicationsがpre-installされている事が特徴らしいが、逆に言えば不要な物まで最初から入っているという事である。例えば、LibreOffice等必要であれば簡単にinstallできるのだから、「全部入り」がmeritとは余り思えない。筆者はこのblogのtheme選択を見れば分かるようにかなりのminimalistであるから、筆者の嗜好に合わないのである。
- Windowsと同じ操作性を求める方には、この点は確かに良いのかもしれない。Core i7等搭載の新鋭機であれば、速度の点は問題にならないと思う。しかし速度やresourcesにcriticalな陳旧機向きではない。
- Designが好みでない。
- 目障りな黄緑色とかmetallic silverが筆者の審美眼に全く訴えかけない。そう言えば似たようなthemeがXPのdefaultにもあったなあ・・・。これは機能とは全く関係が無いが、毎日使いするには筆者にとっては重要なpointである。
Xubuntu ★★★☆☆
Version: 13.10 (Saucy Salamander)
- Designがsimpleで美しい。
- minimalistの筆者に十分に訴えかけるsimpleさと機能性である。
- 完成度がかなり高く、最小限の利便性も備える。
- 次に述べるLubuntuに比べて、Settings Manager(WindowsのControl Panelに相当)や画面下部のlauncher等、若干便利な点があると思った。
- Ubuntuと比べてそれ程軽くない。
- 自分で実験した訳ではないが、他siteのbenchmark dataを見たところ、memory使用量について次のような結果があった。
- Ubuntu ≒ Xubuntu > Lubuntu
- ただし筆者は2G RAMをinstallしてあり、これを使い切るようなheavyなtestはしておらず、実感としてはLubuntuと比べて必ずしも遅いとは感じられなかった。(Linux Mint PetraはXubuntu、Lubuntuより明らかに遅かった。)
Lubuntu ★★★★☆
Version: 13.10 (Saucy Salamander)
これもUbuntu派生distribution。軽量化を主眼に開発されたLXDEという専用のwindow managerが使われている。これまで挙げた3つのdistributionsのうちでは最も筆者の趣向に合うものだった。- Ubuntu派生distributionの中では最も軽量(多分)。
- 起動もかなり速い。
- ただし、少し前のversionsに比べてやや遅く(重く)なっていると記載されたsitesもあった。筆者自身が比較していないので実際のところは分からない。
- Designがsimpleで美しい。
- Xubuntuと同じ濃青を基調とした目に優しいdesktopは大変好感が持てる。
- Xubuntuのような集約的なControl Panelは無いが、特に困るものでもない。
- Launcherとしては、WindowsのQuick Launch Toolbarのように、頻用applicationsへのshortcutsを並べることが出来る(画面左下)。
CrunchBang Linux ★★★★★
Version: 11 (Waldorf)
最後にinstallしたのだが、ついに筆者の理想のdistributionに辿り着いた、という感じである。「もう絶対コレしか無い!」と思っています。- 一切の虚飾を排し、軽量化を極限まで追求した形。
- 起動はめちゃめちゃ速いです。
- Ubuntuより更にbasicなDebianをbaseにしています。
- Simpleで見た目が最高に美しい。
- 違いの分かるminimalist専用のdistributionでしょう。Openboxという超軽量window managerを使用。
- Ubuntuの茶色でもなく、Mintの緑/銀でもなく、Xubuntu/Lubuntuの紺でもなく、monotonousなgrayscaleをsiteにもdesktopにも採用。この潔さ。
- 使い易い。
- Launcherはありません。Hotkeyです。特に、普段使い道のない"Windows" key("Super" key)を使えるのは良いと思う。Browserも、terminalも、file managerも、hotkeyで一発呼び出しです。スゴイ!
- Conkyというsystem monitorがdefaultでinstallされていて、desktopにmemory使用状況、CPU使用率、Shortcut Keys hintなどが表示(+更新)されていて、とても便利です。
感想とまとめ
- 数年振りに各distributionsをinstallしてみて、昔と比べてdesktop Linuxの完成度はかなり上がっていると感じた。
- 昔からLinuxはinstallまでは簡単だが、bugsや制約も多く、日本語入力環境を構築するのさえ苦労した。Devicesも対応していない物もあり、printersを動かすにも大変だった。
- 昔、VineLinuxという完成度の高い日本製distributionがあった。(今もあることに少し驚いた。)日本語環境がちゃんと動く、唯一の「使い物になる」Linux distributionだったと思う。海外発distributionsも、今はdefaultで日本語対応がなされ、ほぼあの水準の完成度に達していると感じた。
- 日本語環境は、ibus-anthyやibus-mozcを事後にinstall、設定する必要があったが、何の支障もなく動いた。Defaultで「全角/半角」keyが動作するのには、昔のLinuxを知る筆者はちょっと感激した。
- Printersはmakersのsitesからdriversをdownloadし、指示通りにinstallしたらCUPSでそのまま動いた。これは素晴らしい事だと思う。ほぼWindows並にprintersが使えるのだから。
- しかし今でも、筆者はLinuxがWindows代替になるとは思っていない。
- 完成度は確かに上がった。しかし、所詮freeの物であるから、bugsはたくさん残っている。正式対応されていないdevicesもまだまだ多い。kernel levelのbugsも少しはあってもおかしくない。
- 実際に、筆者の環境でもいくつかの不具合があった。例えば、無線LANが頻繁に途切れたり。しかし大抵の場合は、Google先生に聞けば5~60分以内に問題は解決できた。昔は解決法を検索するのに丸一日~数日かかったり、解決できない問題もかなりあった。
- 対策はconfig filesの修正等のcommand line levelの作業となり、そういうのに慣れていない方には難儀に感じる所かも知れない。しかし、Linuxを使う以上は、そうした作業はまだまだ避けられないと思う。つまり、まだ一般向けとは言えない、という事だ。
- Linuxが簡単に動くようになったとは言っても、Windows用applicationsが簡単に動くようになったわけではない。世の中はcloud basedになったから、web browser(とflash player)さえ動けば、日常のある程度の作業は出来るようになった。この意味で、sub machineとして、あるいはネットブックとして(つまりweb検索とemail送受信が主)なら十分に使えるとは思う。
- Windows XP support終了後も、筆者のmainのPCはLinuxでもMacでもなく、Windows(7または8)だと思う。趣味、仕事を問わない。
- MicrosoftやWindowsが好きでも無いのだが、やはり日常作業の生産性が一番高いのはWindowsである。Macに比べて市場価格もこなれており、machinesの性能も高い。
- Linux distributionは軽量でなくてはならないと思う。
- 新しいCore i7のmachineを購入して、Windowsを消してLinuxを入れて日常作業に使う人がどれだけ居るのだろう?筆者は勿体無くてそんな事は絶対に出来ない。
- となると、desktop Linuxの利用価値は、今回のように使い古したmachinesを再生する等の用途が多いのではないだろうか?そうすると、Linux Mintのような「全部入り」の重いdistributionよりは軽量distributionsの方が利用価値が高いと思う。そもそも、Windows XPが使い続けられてきた理由の一つは、Vista等後継OSに比べて軽量で安定しており、陳旧機にも使えて、またdevicesにも多く対応していた事なのだから。
コチラのサイトでCrunchBang Linuxの存在を知りました。
返信削除さっそくインストールしてみたら私も「もう絶対コレしか無い!」
と思えてしまいました。それまでUbuntuやDebianを仮想環境で使っていて
最近USBメモリ起動のLinuxを作りたくてこのページを参照してたんですが
コレは絶対カッコいい!!見た目もクールだし、操作もクール。
そのうちHDDインストールする事になりそうです。
やっぱlubuntuですよね。xubuntuの評価もまっとな記事だと思います
返信削除あとはlubuntuから何を削るかっていうところだと思います、ubuntu部分の利便を削るのは初心者には厳しいですし
私もLubuntuに一票!
返信削除XubuntuやWattOS、ZorinOSなども試しました(どれも大きな問題はありませんでした)が、全体的なバランスからLubuntuを選択しました。今では自宅のPCの2/3はLubuntu(32ビットも64ビットも)です。
強いて希望といえば、アプリのインストールにはgccやmakeなど最小限度のユーティリティをパッケージしてもらえると嬉しいですね。あ、あとデフォルトではフォルダ名は英語のママが便利です。
これ以外には特に不足はありません。