2013年5月27日月曜日

はじめてのSO2R(in WPX CW)

SO2Rは以前からやりたいと思っていたが、専用のコントローラも持っていなかったし、それ以前にアンテナが2系統無かった。

以前、headphone controllerだけを自作してみたが、手動で切り替える物であり、送信focusについてはCWはWinKeyer2があればloggerと連動して切り替えられるが、phoneでは不可能。このheadphone controllerだけでは真のSO2Rと言える物は出来ない。

そこで、先日ようやくmicroHAMのSO2R controller、micro2R(u2R)を入手した。コレがなくては始まらない代物である。同じくMK2Rという上位機種があるが、基本のSO2Rはu2Rで問題なく運用でき、また操作もsimpleな方が良いと思ったのでこちらを選んだ。(u2Rは小さくて可搬性も良い。)
なおu2R用のradio cableはD-Sub 9pin端子だが、microHAM社ではcableを同時販売していないので自作する必要がある。(MK2RはなんとD-Sub 37pinで、こちらは自作が難しいためか販売されている。)

Sub antennaの設置


で、2nd antennaとしては、今回は釣竿vertical+ATUでごまかすことにした。Sub antennaとしてbeamを使うと、手で回さなくてはならず大変だから。DX contestだし打ち上げ角の低いverticalは悪くない。
廃棄車両を基礎として利用して設置したantennaの給電部付近。真ん中の灰色のがATU(東京ハイパワー HC-200ATF)。コイツはoptionの同軸DC印加ユニットを使うと、control cableを省略できる。
Antennaは10mのfiberglass poleを20mで電圧給電にならないように少し短めに9m長として使った。同調状況は次の通り。

 9m長釣竿vertical + ATU(HC-200ATF) 
 160m ×全く同調せず
 80m ×全く同調せず
 40m ○良好
 20m △同調しづらい(SWR>1.5)
 15m ○良好 
 10m ○良好

どのようにelement長を選んでも、どこかのbandが電圧給電に近くなるのは致し方ない。これで40~10mは何とか使え、20mもいちおう飛んではいた。

本題:SO2Rの感想


事前にN1MM Logger manualのSO2Rの項u2Rのmanualにざっと目を通したが、かなり多機能・複雑で、事前に理解するのは難しく、「使いながら覚えるしかない」ということで割り切った。
このように両側にBandmapsを配置し、2つのEntry窓の間にCheck窓を置いた。
今回はnon-assistedを選んだので、Available Mult窓はあまり役立たず、Telnet窓も表示していない。
ちなみにnon-assistedでもSPした局はBandmap上にself-spotされていくのでそれはそれで役に立つ。

さて、以下が実際にSO2Rを初体験してみた感想である。

自分の送信音をmonitorしない


これは最初に一番戸惑ったことである。

自分の送出する符号を聞かない中で、受信音だけで操作していく。
これは最初はすごく難しく感じたが、しばらくしたら慣れた。

よく考えると、SO1R等で自分の送信音をmonitorしているのはボーっと待つしかない全く無駄な時間である。SO2Rではこの時間を利用して別側のradioの音を聞いているのだ。

欠点は自分の送信音をmonitorしないため、CWでは速度が分かりづらいことである。しかしこれはCW speedを数字で感覚として覚えていれば済むことである。例えば、標準の速度は28wpmとして、場面に応じてQRQ/QRSする。その目安を数字で覚えておけばよい。

送信中何を打っているかは耳でのfeedbackが無いので、F-keyを間違えて打鍵してしまった場合などは混乱に陥りやすい。耳でのfeedbackは無いが、N1MM LoggerではEntry Windowの下部に文字列でfeedbackが現れる。

「送信している側と逆側のradioを受信している」、つまり「あるbandでCQを出している時、別のbandを聞いている」というのは最初は違和感があった。最初はどちらの受信音を聞いているのかが全くつかめなった。しかし慣れるにつれ、どちらのradioを受信しているのかが自然な感覚として掴めるようになってきた。

SO2R独特のtimingとrhythmに慣れること


SO2Rでは数秒ごとに送受信のfocusが入れ替わり、headphonesの各耳に聞こえてくる音もこれに同期して頻繁に入れ替わる。
単純に左耳にradio 1を、右耳にradio 2を割り当てればよいと思うかもしれないが、微弱な信号は反対側で強い信号が聞こえていたりすると片耳ではとても聞き取りづらいのでやはり両耳で聞く必要がある。

Focusの遷移の仕方やaudioの左右の耳への振り分けは、u2RとN1MM LoggerのSO2R機能の絶妙な連携が行われており、目的とする状況に応じて自在に設定できる。最初はmicroHAMやN1MM Loggerのdefaultの設定を使い、徐々に自分の好みに合うようにしていくのだが、focus遷移のsequenceに慣れるまでは、瞬間瞬間で何を聞いているのかが分からなかった。例えば両耳で聞いていてある局に呼ばれた時、どちらのradioで呼ばれたのか瞬時に分からないのである。

その刻々のfocusについてはu2Rのindicator LEDsで表示されるし、N1MM Loggerでも左右各radioのEntry Windowにある緑と赤の擬似LEDで表示されている。
またたいていの場合、呼ばれた時の受信focusはN1MM Logger上で適切に設定されているので、呼ばれた時にforegroundになっている方のEntry Windowにそのまま相手のcallsignを入力してEnterすればたいてい正しい側のradioで送信される。

つまり、SO2Rに最適化されたfocus切り換えのrhythmを身体で覚え、rhythmに乗ることがとても重要である。rhythmにうまく追従しないと、間違った側にcallsignを入力してしまったりする。

この部分は経験を積むのが大切そうで、車の運転や楽器の演奏と同じ事で、最初は不器用でも練習(実践)を繰り返すうちにかなり無意識に操作できるようになるものだと思う。

運用patterns


SO1Rでは運用形態としてCQSPの2通りしかなかった。
ところがSO2Rではこれが4~5通りに増える。1Rと同じで、「CQでどれくらいよばれるか?」「マルチ探しを優先するか?」によって使い分けることになるのだが、大まかにCQ rateの順に分類してみると次のようになる。

 pattern  CQ rate  comments
 CQ (1R)  ★★★★  さすがに一番呼ばれる時間帯には1Rにならざるを得ない。つまり、両方から呼ばれるとトチったり聞き返しが多くなりrateが却って下がる時は1Rに戻らざるを得ない。熟練度が大きく影響する部分だろう。
 CQ+SP  ★★★  CQがmainだが少し呼ばれないtimingがある時、「副業」として別側radioでSPもする。初心者はSP交信中はCQを止めて行う。混んでいるbandではSP中にCQ周波数を盗られるriskあり。
 CQ+CQ  ★★  所謂Dueling CQ。それほど呼ばれない時用。両方のradiosで交互に連続して切れ目無くCQを出す。呼ばれた側に反応すればよい。実はこれが一番疲労度が少ない。
 SP+CQ  ★  これが1Rでの通常のSPに相当する。SPがmainではあるが、SO2Rでは別側のradioでCQを垂れ流しておく。どこのbandでもCQの生産性が悪い時に使う。CQ側は5分に1回でも応答があればそれはそれで儲け物。
 SP+SP  N/A  これは同時にやる意味があまりない。ただ本当に2つの交信を同時に捌ける神レベルの熟練者なら出来るのかもしれない。

ここには書かないが、それぞれのpatternでheadphonesの切り替え方も変わってくる。
基本的には、片側で送信している時は別側の受信音を両耳で聞き、両方が受信状態の時は左右の耳で両方を聞くと良いが、交信中の側は出来れば両耳で聞きたい。両方受信の際に2つのradioを左右別々に聞くのか、受信focus(交信中)側のradioを両耳で聞くのかはstereo mode keyで切り替えられる。英語keyboardでは「‘(grave accent or back quote)」とN1MM Logger manualに書かれているが、日本語keyboardでは「@(at mark)」がそれである。非常に便利なので覚えておいて損は無いkeyだ。

両耳で信号を聞き分けることも、最初は非常に難しく感じられたが、やっているうちに多少は出来る様になってきた気がした。やればもっと上達できるのかもしれなので、実戦を積むことが楽しみだ。

まとめ -時間を刻む技術-


やってみると、SO2Rはこれまでと全く違うコンテスト体験だった。
忙しくて集中力を要するが、rhythmicalなのでまるで楽器でも演奏しているようで、心地よい忙しさであり、嫌な疲れ方ではない。それこそsportsを楽しんだ後のような爽快な疲労感がある。

1Rではrateが落ちるとCQしてもSPしても何かだれてしまうが、SO2Rでは「疲れた時はdueling CQ」すればよく、左右への切り替え音の心地良さと1Rの空振りCQより2 bandsでCQ出している分少しは呼ばれるので、1Rよりは退屈しない。

SO1Rでは暇になるとボーっとしてしまったり、裏でGmailを読んでみたりweb surfingをしてしまったりする事が多かったが、そういう暇つぶしの必要性(?)は少なくなる。そもそも運用に忙しくて自分のscore summaryにすら目が行かない程だ。

SO2Rとは与えられた時間を秒単位(正確にはmilli秒単位)で最大限に活用しようとする技術だ。
交信の可能性、つまりrateが最大限になるように、随所に工夫がなされている。

送信messageは必要最小限になっている。交信は短く機械のようなやり取りになり、忙しいので「GL」や「73」のようなmessageは送っている暇が無い。Acknowledgeは「TU」や「EE」であり、「CFM」「QSL」はなるべく避ける。Contest中に『ご挨拶』を好む人達から、丁寧に何か打たれても定型messageしか返さないので非常に無機的だし、失礼に聞こえると思う。それだけ「真剣」ということだ。

Contest結果


                    CQWW WPX Contest, CW

Call: JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: SOAB LP
QTH: Kimitsu, Chiba
Operating Time (hrs): 21:30
Radios: SO2R

Summary:
 Band  QSOs
------------
  160:    0
   80:   23
   40:  103
   20:  123
   15:  278
   10:   53
------------
Total:  580  Prefixes = 337  Total Score = 445,514

PWR: 100W
Ant: (R1) Tribander for 40/20/15m (3/5/5), 10m 7L, 80m shortened rotary DP
     (R2) Fishing rod vertical (9m long element) + ATU (covers 40-10m)
SO2R: micro2R
Logging: N1MM Logger 13.5.2

今回は、
  • Murphyの法則により、contest期間中に丁度磁気嵐が発生した、
  • はじめてのSO2Rで非常に不慣れだった。今回はSO2Rに慣れること自体を主眼にし、scoreを気にしなかった。運用中に何度もmicro2R manual、N1MM LoggerのSO2R機能manualを参照しながら、様々な機能やkey操作を覚えていった、
  • (いつもの事だが)平日の睡眠不足が祟り、contest中にどうしようもない眠気に襲われ、何度も仮眠をとった、
  • 土曜日に機器troubleが発生し、午後からひどい渋滞の中東京の自宅まで物を取りに急遽一時帰宅し、修復作業も含めて8時間ロスし、非常に疲れた事、
  • 月曜日に仕事を休む事が出来なかったので、full-time参加ではなく日曜日のJST 23:30に停波した。この頃からconditionがいくらか改善したので撤収するのは残念だったし、SO2Rにもようやく慣れてきたところだったのでもっと練習がしたかった、
等々の事情から、上記のscoreにとどまった。運用時間は21.5時間程であった。3830へのpostはこちら

その他、雑感


2nd antennaの釣竿verticalはそこそこ飛んでは呉れたが、所詮low powerではたかが知れていた。そこで「ここぞ!」という時にはmain antenna(beam)側に切り替えて交信した。N1MM LoggerではAlt-F5 or F6でR1/R2の入れ替えが即座に出来て便利だった。

SO2R機器操作の不手際で、CQを出している側の受信音をうっかり全くmonitorしていないことがあった。逆側でQSOした時に両耳で聞くようにしたのを、うっかり戻すのを忘れた為だ。呼んでくれた局には悪いことをした。

CQ周波数防衛はSO1Rよりも大変である。1Rの時は周波数を盗られそうになるとこちらも意地になって居座ったりしたが、SO2Rではそんな事をしている暇が無い。盗られたら「ケンカ」せず、すぐにこちらがQSYした。

単にbandが混んできて寄せられた場合は、微妙にVFO dialを動かしてCQ周波数をずらしていった。そうするのが一番楽である。「.00」などというキリの良い周波数でCQを出すことには一切こだわらなかった。

繰り返すが、SO2Rは最初は難しく感じるが、sportsや楽器練習と同じで、経験を積めば積むほど上手くなっていくものだと思う。Contestに新しい楽しみが増えたようで、とても嬉しい。

u2R (micro2R)を開けたところ。
音声用のisolation transformersや左1/3辺りにWinKeyer2 chip (PIC16F688、14pin DIP)が見える。Mainの制御用chipはそのすぐ右下にあるATmega128A(64pin flat package)だろう。

2013年5月12日日曜日

CQ-M (using 5MContest)

UT7MA (UW5M)作の5MContestを使ってみた。

CQ-M International Contestは今年で57回を数えるかなり歴史の24時間のコンテストだが、今回はログソフトのテストがてら短時間の運用。


以下、印象。
  • N1MM Logger likeな使用感。細かな点に気を配ってさらに使いやすくした感じだ。
    • 特に、Entry Windowのcallsignの入力欄がとても大きくて見やすい。これなら間違いも少なくなりそうだ。マルチの交信実績はそのすぐ右に表示されている。
    • CQ, S&Pの表示が色付けされていて分かりやすい。CQ/S&Pの区別は、後でlog checking reportなどを見ながら振り返るのに重要な情報だが、N1MM Loggerではその区別はlogに残らず、周波数の遷移などから推測するしかない。
    • Bandmapのcallsignも少しfontが大きくて見やすい。
  • 非常に多機能。Menu項目の多さで分かる。しかし各設定項目は分かりやすく、manualを一切見なくても動作させることが出来た。N1MM Loggerとはmenu体系は異なっている。
  • 完成度が高い。開発途上のloggerにありがちな動作の不安定さ、未実装な部分は見当たらない。完全に動作している。
  • Digital modeはMMTTY, MMVARIに対応。RTTYのみならずPSKコンテストなどにも出られそうだ。
  • Rig controlにはOmniRigを使用。WinKeyには現時点では対応していない。
  • 頻繁にprogramは更新されているようだ。Updateは差分install(上書き)が可能。
(注意点)
  • 英語interfaceに対応しているが、Defaultではロシア語(ウクライナ語?)のため、日本語環境では一部文字化けが残る。実用上差し支えない程度。
  • N1MM Loggerと似たESM機能はある。しかし、設定次第なのかもしれないが、callsign fieldに何かtypeするだけではAuto CQが止まらない。Escを押して止めないと。これには何度か焦った。慣れの問題かもしれない。
  • 少し前のversionではWin 7 install時にerrorが出たが、update版では解消されている。
そんなわけで、当局は非常に気に入ってしまった。今回はCWでのみ使用したが、ぜひdigital mode contestsでも使用してみたい。

Volta RTTY (using QARTest)

QARTestについては以前紹介したことがある。

その後実際には使用していなかったので、今回Volta RTTY contestにQARTestのテストがてら、出てみることにした。


ごらんのように明らかにCTをbaseにしたと思われる造り。CommandもかなりCTそのままのものがある。逆に言えば、Windowsの利点を生かしきれていないともいえる。
  • N1MM LoggerやWin-Test等の最近のWindows basedのloggersに慣れていると、DOSの趣が残るのは使い辛く感じる。Bandmapが無い。
  • 今のところItalian interfaceのみ!Google Translate is your friend!!
  • Rig controlはOmniRigではなく、proprietaryなもの。当局はIC-706mkIIだが、きちんと動作しなかった(追記 2013/7/28:その後ちゃんと動作することを確認しました。)
  • Digital modeはRTTYのみか。MMTTYと2Toneに対応。MMTTYではFSK, AFSKとも安定動作した。
  • 今回は使用していないが、CWはWinKeyにも対応している。
最初からdigital mode contestで用いるのは酷だったかもしれない。余計なwindowsが2つも出るから。今度は是非CWで使用してみたい。

(以下余談)
『FSKが出ない!!』

当局はVolta RTTYとCQ-Mに同時に参加したので、note PCでQARTest(Volta)、5MContest(CQ-M)を同時に立ち上げ、VSPE(splitter)を使ってCOM portsを共有することにした。

ところが、rig controlやCWはちゃんと動作するが、FSKがどうもおかしい。呼んでも全く応答がない。Carrierだけ出ているようだ。試行錯誤し、AFSKなら動作することが分かった。

なぜFSKが出ないのか?ちゃんとEXTFSKは使っている。同じportを使用しているPTTは動作しているようだ。送受信切り替えは動作しているから。

ここではたと気付いた。FSKはVSPEを通してはいけないのだ。FSKはCOM portのTxDを直接叩いている。いわゆるserial通信ではない。それをVSPEでsplitすることはちょっと無理なようだ。DTR(CW)、RTS(PTT)も直接叩いているのだが、元々data信号線ではないためかserial通信でなくても通してくれるようだ。
DTR(CW)、RTS(PTT)はVSPEを通せるが、TxD(FSK)は通せない。
よくよく考えると2つのloggers両方でFSKを使うのではない。今回は片方のcontestだけだから。というわけで、FSKはVSPEを介さず、MMTTY(EXTFSK)で直接実在するCOM port(USB virtualだが)を指定したら、全く問題なく動作するようになった。

ただし、digital modeで同時に2つのcontestsに出る場合(あまりそういうことはないけれど)は、AFSKを使う必要がありそうだ。FSKと同じportを使っていたPTTはそれ専用のCOM portを用意する以外に、「PTT via CAT」を使えばrig controlのlineで制御できる。

尚、以上のtroubleは当局の勘違いによるもので、QARTestの問題ではありません。念のため。

2012年9月29日土曜日

MFJ-4416Bの小改造

SAC CW参加記で述べたように、mobile運用で電圧降下の問題が起きたため、boosterとしてMFJ-4416Bを購入した。


事前に各所でreviewsを調べると、内蔵fuse(30A)が飛びやすいという評が多かったのでこの製品にすべきか迷ったが、それらのreviewsを参考に何とか対策出来そうだったことと、僕が愛用しているAnderson Powerpole connectorsを入出力に採用している事が気に入ったので結局これに決めることにした。


飛ぶのはこの入力側にある30Aのfuseだそうだ。送信から受信に切り替わった時に飛んだりするというから、battery電圧の変動やsurgeに弱いと考えられた。

何とか実際に使う前に、飛ばないように対策を施しておきたい。Surge保護素子を入れれば良いのではないかと回路図(manualの11頁)を見てみたところ、既にsurge保護素子は入出力両側に入っていた。いや、入っているのになぜfuseが飛ぶのだろう?

Surge保護素子はDIODES社の1.5KE15Aという製品で、15V(14.3~15.8V)を崩落電圧としてsurge保護が作動し、最大71Aまで流せるという。問題のfuseは入力側にあり、しかもこのsurge suppressorの外側(battery source側)にある。そうすると、もし負荷変動によってbattery電圧が変動し、一瞬でも15V(または14.3V)を超えることがあれば崩落が作動し最大71Aまで流れるのだから、30Aのfuseなんて飛んでしまうではないか!

Fuseとsurge suppressorの位置を逆にしてfuseを内側にすればfuseは飛ばなくなるだろうが今度はsurge suppressorの方が飛んでしまうかもしれない。いやsurge suppressorは71Aまで耐えるから、batteryとMFJ-4416Bを結ぶcableに入れた30A fuseが飛ぶことになるだけだ。

いずれにせよ、fuseは機器の回路保護のために入っているのだから、飛ぶのは仕方ないかもしれない。(飛んで負荷側の回路を守ってくれる。)

今回は、入力端に大容量電解condenser(5600μF、50V、105℃)を入れて様子を見ることにした。写真のように何とかcaseの中に工作することが出来た。


Battery電圧変動の影響が軽減されるはずだが、これでも飛んでしまうようならまた別の対策を考えようと思う。

その後2年近く使用しておりますが、一度もfuseは飛んでおらず、全く問題なく使用できています。24~36時間に亘るcontest運用(mobileから)も何度か行っております。(2014/6/4 追記)

2012年9月28日金曜日

RTTY Skimmerのtest運用


DL4RCK Walter作のRCKskimmerをテスト運用している。

Softwareはまだbeta test中で、自由にdownload出来るようにはなっていないが、Yahoo! Groupsに参加し作者にemailすれば入手できる。

最大7 bandsをIF帯域(各band最大192kHz)で同時にscanしdecodeするCW版Skimmer Server(VE3NEA)とは違い、RCK SkimmerはMMVARIのmoduleを使って2kHz幅ずつbandsを巡回してdecodeする仕組みとなっている。

したがって、CWのskimmerのように、CQを出せばpathのある世界中のskimmersが即座に反応して伝播状況を知る、といった使い方はまだ出来ない。

RTTYのみならずPSK31はもちろん、MMVARIが対応している多くのdigital modesもdecode出来る。

このsoftwareでdecodeされたspotsはDL4RCK独自のtelnet server(RCK-Digital Cluster System)に集約されるほか、CW版skimmer用のAggregator(RBNのhome pagesからdownload出来る)を用いてRBNにもupload出来るようになっている。

今のところ、ドイツ、アメリカを中心に数カ所でtest運用されているだけだ。

当局のsystemはantennaとlocationが非常に貧弱のため、一日に数件しかspot出来ていない。しかしWW RTTYの週末にはもっとたくさんdecode出来る事を期待している。

DL4RCKのDigital Cluster Systemに接続するには、こちら。
telnet://dl4rck.ham-radio-op.net:8000/
RCKskimmersのspotsだけが集約されている。Defaultでは「CQ」だけではなく「DE」で聞こえた局もspotされるため、messagesに従ってfilterをかけると良い。

RBNに統合されたRCKskimmersのspotsを見るには、以下のRBN本家telnet serversに接続しても良いが、
telnet://telnet.reversebeacon.net:7000/ 
telnet://arcluster.reversebeacon.net:7000/
本家のserverは負荷が大きく落ちやすいので、RBN feedをもらっているCC ClusterかAR Cluster(V6)のnodesに接続する方がオススメである。

当局は下記でCC Cluster nodeを運用している。
JG1VGX-7 telnet://ccc.jg1vgx.net:7373/
接続したら、まず
set/skimmer
でskimmer feedをONにする。(OFFにするにはset/noskimmerまたはunset/skimmer

RTTYだけではなく、CWのskimmer spotsが大量に流れてきて見苦しいため、filterをかけると良い。
set/filter keyword/pass RTTY
これでcomment欄に「RTTY」があるspotsのみを通すようになる。あるいは、
set/filter keyword/rej CW
とすると、comment欄に「CW」があるspotsを拒否するようになる。この場合、通常のDX spotsの多くはRTTY以外も通過することになる。

Keyword filtersの解除は、次のようにする。
set/filter keyword/off
その他、CC Clusterの詳しいcommandsは以下を参照されたい。
http://bcdxc.org/ve7cc/ccc/CCC_Commands.htm 

JG1VGX-7が何らかの理由で落ちてしまっている時は、DXCluster.infoの一覧表で(+CW Skimmer)
と表示があり、node softwareがCC ClusterかAR Cluster(V6)のものは同様にRBN skimmer feedに対応しているので探して接続されたい。

なお、DX Spider nodeはskimmer spotsには対応していない。(当局運用のJG1VGX-9も。)

2012年9月17日月曜日

SAC CW as JG1VGX/M


都内某所からSAC CWにmobileで参加した。
上の写真では車は方位にして約330°を向いており、ほぼ正面がEuropeで障害物は殆ど無い。

結果は次の通り。
                    Scandinavian Activity Contest, CW

Call: JG1VGX/M
Operator(s): JG1VGX
Station: JG1VGX/M

Class: SOAB LP
QTH: Tokyo
Operating Time (hrs): 10.5

Summary:
 Band  QSOs  Mults
-------------------
   80:           
   40:           
   20:   59    20
   15:   57    22
   10:          
-------------------
Total:  116    42  Total Score = 4,872
Mobileということもあって、40m以下の運用は諦めた。夜通し頑張れば数局は出来たかもしれない。Scandinaviaには化け物のようなlow band antennaを持つ局も居るから。

運用したのは日本時間で土曜の夜9時~午前2時、日曜の午後3時半~夜9時の合計10.5時間です。

3830 Reflectorへのpostはこちらです。

<問題点>

・電圧降下、batteryへの負担
 なかなかcallsignを取ってもらえず、「UR TONE VY BAD」と少なくとも2局から打たれた。IC-706mkIIが故障しているのかと思い帰宅してから調べたところ特にtoneに異常は無い。試しに電源電圧を下げてみたところ12Vを切ると50W出力ではCW toneが酷く歪むことに気付いた。10~20Wに落とせば大丈夫だが。
 また、contest後、車のstarterのかかりが悪くなった。これは明らかにbatteryに負担をかけたようだ。Contest等で長時間運用する場合は、sub batteryを積むなどの対策が必要そうだ。


コンテスト後に、当局の信号を録音したfileをNorwayのBjorn LB1GBが送ってきてくれた。Mobileにしては強力なので驚いたという。


日本時間で日曜の午前0:27、20mでのLN8Wとの交信で、当局はNr 051を送っている。なお相手局の信号は録音には入っていない。これで聞くと、確かに当局の信号はわずかに楽音調である。

2012年9月10日月曜日

WAE SSB @JG1ZUY


好天に恵まれたWAEDCの第二戦、SSB部門。
今年はLow Powerで参加することにしたため、CW部門と比べて飛ばないことは覚悟はしていたが、まさかここまで苦戦するとは思わなかった。

<1日目>(以下時刻は原則JST)

「お山のシャック」でのcontestは小旅行に行くようなものである。金曜の夜は早めに帰宅したが、忘れ物が無いようにと入念に持ち物を確認したりPCのsetupをしていると、結局緊張してしまって眠気が全く襲って来ない。

3:40 現地に着いてから寝ることにし、徹夜のまま未明に東京の自宅を出発した。途中コンビニで2日分の食料(弁当8個!)を購入する。

5:30 現着。開始後の9~13時位はどちらにしてもoff timeに充てるつもりだが、まず寝る前にsetupを終わらせておく事にする。また明け方から9時までのconditionを知ることはoff timeの設定や最終日の朝のcondition予測にも重要なので、準備をしながらantennasを真っ先に繋ぎbandsをwatchする。

40mは5:30には信号がかなり弱くなっていたが、20mは信号の浮き沈みはあったが6~8時にかけてもEAなど奥の方まで強力に入感している事を確認。(8月のCWでもGMが7時を過ぎても強力に入感していた。)

SetupではCWよりもSSBの方が音声系統が絡む分、回り込み対策が重要だ。いつも使っているshackではなくてcontestの度毎に機材を持ち込んでsettingするため、問題があるとcontest直前にその場でtroubleshootingしなくてはならない。自宅では問題が無かったのに現地では問題が起き、原因が分からず途方に暮れる事もある。忘れ物をしないように準備の時に注意を払うのも同じ理由である。

今回はLow Powerなのにリグコン(USB-COM converter)を繋ぐとmic音声やPTTへの回り込みが生じて難儀した。ここでは細かく解説しないが、RIG本体のある機能をOFFしたところ回り込みの問題はあっさり解決できた。最近のRIGは多機能になったが、いろいろと電気的にdirtyな環境でも安定動作するようには設計上の十分な対策が取られていないのかもしれない。Makerさんに言ってあげたい所である。

毎日7:00にNOAAの宇宙天気予報(先3日間)が出るのだが、確認したところ嬉しいことにここ2日間は地磁気の状態はほぼ静穏の見通しとのことであった。

8:20 さっきまで20mで強力に聞こえていたEA局もだいぶ弱くなった。大体朝の状況は把握できたしsetupもほぼ完了したので、ここでようやく寝ることにした。

13:00 覚醒する。SFI 134、SSN 110、K 2とのこと。13:30頃になると20mでロシア・東欧のbig gunsが弱く聞こえ出し、もう交信を始めているJA局もいる。しかしどのみち後でQSO出来るような局しか聞こえていないので、もう少し寝ていることにした。

WAEDCの良い所はcontest開始直後を休憩時間にまず充てることが出来るため、slow startが可能なこと。Bandsをwatchしながら何時頃から開始にするかを見極める。できれば後に可能性を残すため、最初の方でoff timeをなるべく長く取っておきたい。

14:00 RU1A等EUも聞こえているが、まだまだ弱い。UA9sは結構強くなってきたがまだ待ちだ。もうちょい寝る。15mは開かず20mしか開いていない。

15:00 まだ状況は変わらない。うとうとしながら待つ。15mと10mは完全に死んでる。20mの信号もむしろやや弱くなったようにも感じる。

15:30 20mでDLが弱いが聞こえ始めた。今日は15mが全く開かない。20mも決して強力ではない。Conditionは良くないようだ。

15:47 と思ったらようやく15mが開き、big gunsが強力に入感してきた。ここでいよいよ始めるtimingと判断、15mでのUA4MとのQSOでcontestを開始した。(6時間半の休憩をここまでで確保できたので、後は5時間半どこかで取れば良い。)

ところがLow Powerのせいか呼んでもなかなか応答してもらえない。ましてやCQなんて時間の無駄であることを確認。いきなり苦しむ。開始後1時間のrateはたった16局(全て15m)。実はこれでも後から考えると良い方なのだが。

17:00 欧州がより広範に開け始める。しかしCQを出しても全く呼ばれず、全てS&Pである。それも一部のbig guns以外は容易に応答してもらえない。

17:30 15m bandが逆に枯れ始めた。本格的に開いてから1時間半くらいではや中枯れか。

18:00 本格的に中枯れてきた。同時にJAは日没のため暗くなる。

19:50 あまりに生産性が悪いためか、気が付くと日没後に1時間半ほど転寝をしてしまった。だが幸いなことに15mはまだ枯れた状況が続いていた。20mが少しだけ聞こえ始めている。10mは今日は全く開かなかった。

20:45 いやあconditionが悪い。15mも20mもUA9やUNまでで、EUは何も聞こえないじゃないか。18~21時の間は実はrateは1局/hr位だった。

21:00 15mが復活してきたのかDP4Xが強力に聞こえ、QTCも送れた。

22:00 夕方よりは大分マシになってきて15mと20mを行ったり来たりしてS&Pで1局1局積み上げていく。

22:30 EU局のantennasが北米を向いているようで、呼んでもなかなか取ってもらえない。CQを出しても全く応答はない。「If you are not CQing, you are losing.」という言葉があるが、そんなのでは無い。全く逆である。「If you are not SPing, you are losing.」つまりCQを出してても呼ばれないから全くの時間のムダである。S&Pに専念する。Low PowerではCQよりもS&Pの方が生産性が高いことがしばしばだ。

ところが、「JG1VGX」とcallしているのに何度言っても「G1VGX」と聞き違えられて、「Only outside Europe please!」と交信を断られたのにはさすがに参った。

ここまで8月のCW部門とは大違いの暇さ加減である。CWより局数が減るのは覚悟はしていたものの、こんなにひどいとは思わなかった。

23:45 20mでCQを出していたら、初めてDP6Aに呼ばれた。弱かったがQTCも要求されたので問題なく10個送れた。

0:10 20mは大分開いてきているようだ。広範に聞こえるし、long pathに向けても信号が強力だ。但し実際は全部short pathで交信したが。

1:00 さすがの20mもやり尽くした状況になってきた。少し信号が弱くなる。

1:50 40mで初めてURが聞こえ始めたので交信する。

2:15 20mの方は大分弱くなった。

2:30 20mは枯れた感じ。40mがmain bandになる。

2:50 20mがほぼ完全に死んだ状況。

3:00 太陽でM1.1 classの中規模flareが発生したと速報が入ったが、地磁気に影響が出る頃にはcontestは終わっているだろうから気にする必要はないと考えた。

3:40 欧州の20m antennasは一斉にW方面を向いているようで、呼んでも全然応答が無い。

4:20 40mでCQを出していたらUA4Mがclusterにあげてくれ、お陰で数局に呼ばれた。

4:30 あまりにQSO出来ないので、2:00頃から眠くてたまらない。ついうとうとしてしまう。軽く伸びをして眠気を振り払い、無線機にかじりつく。

5:00 夜明けのため、外がかなり明るくなってきた。

5:45 効率は悪いが40mと20mを行ったり来たりしてS&Pを続ける。

6:00 40mは国内局が増え始めるとともにDXの信号が弱まり出す。

6:20 20mのDX信号も弱くなってきた。1日目の終わりを実感する。

6:40 と思ったら20mのLX7Iは強力で、QTCも送れた。しかしここでもう他の局とは交信できないと考え、集中力も限界に達していたため、皮肉にもconditionの悪さに助けられた形で1日目を終了とし、そのまま眠りに落ちた。

<2日目>

昨夜JG1ILFとJM1LPNからメールが来て、NH8S(Swains Island)のペディションを落としたいので本日昼間にshackに来るとのこと。こちらはどのみち休憩時間なので全く問題なく大歓迎だ。

11:00 ILFとLPNが到着。新鮮な野菜サラダとコーヒー飲料の差し入れを持って来てくれた。野菜サラダはコンビニのだが結構美味かった(Tnx LPN/ILF)。肉とご飯主体の弁当ばっかり食べていたからだ。その後二人はあっと言う間にNH8Sとの交信を済ませて帰っていった。

12:20 この時点で2回目のoff timeが5時間半以上取れたので合計12時間となり、この後は何時でも運用して良い状態になる。

13:20 しかしこの時間になってもまだ20m、15m、10mいずれも全く欧州が開く気配がない。

13:50 ようやくRU1AがRS 53位で聞こえるようになった為、溜まっていたQTCを送ろうと呼んでみたが、こちらのcallもまともに取れない感じだったので、まだ時間尚早と判断し交信を諦める。

15:25 気付いたら2時間近くまた転寝をしてしまった。だが今回はconditionがあまりに悪いため、幸いな事に転寝のdamageが少ない。15mでOE3K等強い局を呼び周りQTCを送りながら2日目の運用を開始した。

16:00 しかし30分程で呼べる局は呼び尽くしてしまう。15m bandは開いているのだがCQを出しても応答は無い。CR3L(Madeira Is.)まで強力に入感している。CR3LはAFだから呼べないのである。

昨日も今日もCQを出して呼ばれた場合でも、big gunsが見付けて呼んできてくれるだけであった。相手はどのみちS&PでもQSO出来る局なので、これではあまりCQを出す意味が無い。先程も書いたように「If you are not SPing, you are losing.」だ。

この時間帯は15mは欧州のantennasが一番JAに向いている可能性が高いと思えるのに、それでもCQを出しても呼ばれない。この程度のconditionなら多少寝てしまっても影響は殆ど無さそうだ。

16:20 15m CQでOE6XUGに呼ばれた。その後4局位にパラパラと呼ばれて少しmultiも増えた。偶に「Strong signal!」と言われたのだが本当なのか?MIC COMPをかけていたので聴感上強いように聞こえただけで、こちらの信号はせいぜいRS 53程度ではなかったのかなと思う。「強い」と言われて呼び回りをしても全然取ってもらえないことに変わりはなかった。

簡易SO2Rのsetupをしたので、15mでCQを出すごとに10mの状況をこまめにcheckしていたが、UA9が聞こえていたものの今日もEUは全く入感しなかった。HSやVR2、DUあたりがEUと交信している様子が窺えたが、JAの緯度ではこのconditionでは難しいようだ。

16:34 100 QSOsをようやく達成した。この時点でCQ:S&P比は13:87であった。

17:00 15m bandは開いているが、spotされているような局とはやり尽くしてしまった。10mは依然開く気配が無い。

17:35 Clusterを見ると10mでUA9がZone16のUA局をspotしているが、UA9からでも応答が無いという。これではJAからEUが出来る筈もない。もう今回は10mは全く見込みが無いものと判断し、15mに専念することにする。

17:45 15m CQでパラパラと呼ばれる。Rateにすれば10/hr程度だが、今回にしてはようやくまともなrunningが出来るようになってきた。ようやく今回contestらしきものをしている気分になってきた。やっとantennasを極東方面に向けてくれたのかもしれない。寂しいrateだが、今の時間帯が2日間を通して一番呼ばれる時間帯かな、等と考える。

18:00 日没。外が暗くなる。

18:15 15mの信号が弱くなり始めた。中枯れだ。

18:20 20mをチェックしてみたが、BY等近アジアのみでEU方面はまだ全く聞こえない。15mは昨日よりは良かったのだが、それにしてもかなり期待外れなcontestには変わりない。

18:30 15mはかなり枯れてしまったが、まだ20mが開く時間帯ではない。やる事が無くなってきた。しかしHigh Powerで設備の充実したJA局はまだ欧州と交信しているのには驚いた。

18:35 と思ったら15mでED1R(新multi)をS&Pで落とせた。不思議なconditionだ。

18:45 やはり15mは本格的に中枯れしてきた。

19:00 20mはまだBYやUA9/0しか聞こえない。

19:10 15mでCQを出していたらLA(新multi)に呼ばれて少し驚いた。

19:30 聞こえなくなったり聞こえたり浮沈のある不思議なconditionだが、15mは完全に閉じることはない。合間に食事をする。

19:45 CR6K(新multi)をS&Pで落とす。

19:55 CQを出していたら、これまた出来ていなかったGから呼ばれた。

20:50 CQを2局にspotしてもらったお陰で突然のpileになる。以後の30分間で40局程度に呼ばれ続けた。今回のcontest中のhighlightになった。TK, OZ, E7などのmultisが増えた。

Spotが上がると飛びつくように呼んでくるのは他のJAsも体験していたようだった。

やはり001とか若いナンバーを送ってくるcasual参加局にもたくさん呼ばれるようにならないと、bandが開いたとは言えないことを実感した。

21:50 Spotsの効果が切れ、CQに対する応答が激減したため、S&Pに戻る。

22:00 20mをcheckするが欧州はまだ開いていない。15mしかないので専念する。

22:30 15mでも交信相手が居なくなってしまった。

22:45 いよいよ15mは本格的に閉じてきたようだ。20mはまだあまり開いていないが、何とかUR 1局と交信できた。これからは20mの時間帯になるだろう。

23:00 15mはEUが北米にantennasを向けたため聞こえなくなったようだ。まだ20mはUA9までしか聞こえていない。

23:10 20mのUA9の信号はかなり強くなり、欧州のbig gunsも弱いが聞こえ始める。

23:30 20mは少しずつ開いてきているが、まだこちらの弱い信号では相手になる局が少ない。太陽黒点は先週のAll Asian Phoneをpeakに下降を始めていたがSSN 70まで下がった。

0:00 この時点で丁度200Qsになった。これまでの経緯を考えると最終的には行けても250Qs位にとどまるだろうと予測。

0:30 75mはnoiseが強い。15mではまだOM2VLが驚くほど強力に聞こえているが、他の局は非常に弱い。

0:40 どのbandsでも全く交信相手が居ない状況の為、食事を摂る。40mでは昨日交信済のOH8Xが非常に強力に入感しているが、他に欧州の局は聞こえない。

1:00 15mは完全に終了。20mに専念するしかない。

1:20 20mも中枯れか静かになり、40mも開いておらず、75mはアンテナが弱く交信は論外であり、やる事が無くなる。

3:15 迂闊にもまた2時間近く眠りに堕ちてしまった。1時台は確かにやる事が無かったが、ちょっと寝過ぎてしまったことを反省する。かなりopenを逃してしまったのではないか?

起きて始めてみると20mが広汎に開いているのでしばしS&Pに専念する。しかししばらくするとやり尽くしてしまい、転寝によるlossはそれほど大きくなかったであろうと自分を納得させた。

40mは相変わらずOH8Xしかまだ聞こえない。

3:45 20mは欧州が北米にantennasを向けてrunningしているのが聞こえる。もうJAにantennasは向いていないのだからこの時間は20mは終了したと考えざるを得ない。

3:55 20mではV55V(Namibia)が強力に入感している。EU外同士なのでcontest QSOは勿論出来ない。

4:35 20mでは欧州のantennasが北米を向いたまま。40mではまだ別格に強いOH8XとDL6FBL(@DR1A)しか聞こえておらず、またやる事が無くなった。

4:50 新multiのUA2Kを繰り返し呼んでみたがantennasが北米を向いているらしく全く応答が無かったのだが、こちらのantennaを30度位やや南に振ってみたところ応答があった。Antennasが正対していない関係では最短方向ではなく少しbeamをずらして呼ぶと取ってもらえる事があるようだ。

5:00 夜が明けてきた。20mはまだ中枯れているままだ。

5:10 40mでDP4Xに少数ながらQTCを送ることに成功する。40mのconditionが上がってきた証拠だ。しばし40mのS&Pに専念する。

5:45 早くも40mはJA国内局が増え始め、DX局は埋もれるようになってきた。40mはもう終了かと一旦は諦めた。しかし20mもまだ枯れた状態のままだ。

6:00 この後6:20頃まで40mで欧州局が再び強まる。RU1Aに最後のQTCを送り、強力だが未交信だった4O3Aと40mで交信する。

6:30 20mでも強力だった4O3Aを繰り返し呼ぶが全く応答してもらえない。(他の設備の良さそうなJA局は交信できていた。)20m、40mとも交信相手が居なくなったため、ここでcontestは終了だろうと考えて、早めの撤収作業に入った。

8:15 20mで4O3Aがまだ強力に聞こえていたので呼んでみたところ不思議な事に一発応答があった。20mはどうやらJST 7~8時頃がbestなようだ。これをもってcontest終了とした。

                    WAE DX Contest, SSB

Call: JG1VGX
Operator(s): JG1VGX
Station: JG1ZUY

Class: Single Op LP
QTH: Chiba
Operating Time (hrs): 36

Summary:
 Band  QSOs  QTCs  Mults
-------------------------
   80:    0           0
   40:   23          13
   20:   67          23
   15:  133          32
   10:    0           0
-------------------------
Total:  223   221    68  Total Score = 66,156


計223局の内、CQが74局、S&Pが149局だった。約1:2の割合である。終わってみると意外とCQへの応答も多かった。

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<他に気が付いた事>

・QTCの送り残しを避ける為、今回は10個にこだわらず少数でもこまめにQTCを送るようにした。Conditionは悪かったが最終日の朝の40/20mで強力な局がいたため、今回は送り残しは最小限に出来た。欧州局が北米向けにrunしている時は、QTCを押し付けようとしても応じてもらえない。それ以外では欧州局はscore向上のため頻繁にQTCを要求してくる。今回は頼まれてもこちらのQTCが無くなってしまって断ることの方が断然多かった。
・規約では14300~14350kHzでの交信は禁止されていたが、少なからず交信が行われていた。規約にも小さく書かれているだけなので、知らない局が多いものと思われる。運用が制限されている分、空き周波数を探すと14300以下が一杯でも上は空いているので知らない局はここでCQを出すことになる。罰則(減点)があるのか不明だし、あまりに交信している局が多いので、当局もS&P時は14300kHz以上でも交信を行った。罰則を与えるなら主催者はもう少し告知をしっかりするべきだと思う。